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プリオン病(3)致死性家族性不眠症(FFI)(公費対象)

ぷりおんびょう3 ちしせいかぞくせいふみんしょう(FFI)

■定義

致死性家族性不眠症(FFI)は、家族性のプリオン病で40~50歳代に発症し、記憶力低下、不眠症、夜間興奮、交感神経緊張状態(高体温、発汗、頻脈)などを呈する。やがてミオクローヌス、認知症が出現し、1年ほどで無動性無言状態になる。病理学的には選択的視床変性症と大脳の様々な程度の海綿状変化が特徴である。プリオン蛋白遺伝子コドン178にAsp(D)からAsn(N)の変異を持ち,コドン129がMet/Metであった場合にFFIを生じる。コドン178にAspからAsnの変異を持っていてもその変異のある同一のアリルの129番の多型がValである場合は臨床症状はCJDとなり,FFIとはならない。

■疫学

スペインでの報告が多い。日本では、4家系が証明されているのみである(2009年9月)。しかし、原因不明の視床変性症のなかには、FFIの病理像と共通点が多く、遺伝子検索にて今後日本でも新たな症例が増える可能性がある。多くの症例は40~50歳代で発症し、男女差はない。

■病因

プリオン蛋白遺伝子のコドン178のアスパラギン酸がアスパラギンに変異し、変異したアレル上のコドン129の多型はメチオニンである家系にみられる。特徴ある臨床・病理所見が生じる機序は不明である。更に本病とほぼ同一の病像を示す孤発例で遺伝子変異をもたない症例も、視床変性型CJDとして報告されている。家族性、孤発性ともにマウスへの実験的伝播性が証明されている。

■症状

発病初期から頑固な不眠と精神運動興奮が持続する。典型例では、進行性の不眠、夜間興奮、幻覚、記憶力低下などで発症し、やがて高度の記憶障害、失見当識、せん妄状態、認知症、構音障害、運動失調、ミオクローヌスを呈し、交感神経緊張状態(高体温、発汗、頻脈)が特徴である。1年以内に高度の意識障害に陥り、呼吸不全を伴う。正常な睡眠パターンはみられず、脳波は徐波化を呈するが、周期性同期性放電(PSD)はみられない。

■治療

有効な治療法は知られていない。栄養の補給、褥瘡や呼吸器及び尿路の感染に対する予防、治療が必要となる。特異的な治療法は未確立であるが、いくつかの候補となる薬剤の治験が進勧められている。

■予後

予後は不良である。2年以内に死亡することが多い。

関連ホームページのご紹介


プリオン病及び遅発性ウィルス感染症に関する調査研究班

ガイドライン」のページに2008年に作成された「プリオン病感染予防ガイドライン」が掲載されています。(医療従事者向け)


厚生労働省


ヤコブ病サポート・ネットワーク


東京医科大学神経生理学講座プリオン病ガイドライン等


東北大学プリオン蛋白研究部門


長崎大学感染分子解析学

診療マニュアル

クロイツフェルト・ヤコブ病 診療マニュアル
(厚生労働省遅発性ウイルス感染調査研究班)

 診療マニュアル(改訂版)(ファイルサイズ 約:1.6MB)

このマニュアルは、クロイツフェルト・ヤコブ病をはじめとしたプリオン病の治療、検査、感染因子の滅菌法、感染防御等について、現在把握し得る最大限の情報を基に構成されています。(医療従事者向け)

プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班から


プリオン病 研究成果(pdf 26KB)

この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。
情報提供者
研究班名 プリオン病及び遅発性ウィルス感染症に関する調査研究班
情報見直し日平成23年6月21日