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偽性副甲状腺機能低下症

ぎせいふくこうじょうせんきのうていかしょう

(認定基準、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「偽性副甲状腺機能低下症」とはどのような病気ですか

からだの機能を維持するために血液のカルシウム濃度は常に一定の範囲内に保たれています。血液のカルシウム濃度が低下しそうになると「副甲状腺」というホルモンを分泌させるはたらきのある臓器(首の前側下の方にある「甲状腺」の裏側に米粒くらいの大きさのものが通常4個あります)から副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌され、骨と腎臓に作用して血液のカルシウム濃度を上昇させるように作用します。偽性副甲状腺機能低下症の患者さんではPTHが骨や腎臓で十分に作用できないため、血液のカルシウム濃度が低下し、それによって様々な症状があらわれます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

日本には400人くらいの患者さんがいらっしゃると推測されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

遺伝性が認められることがありますので、ご家族の中にこの病気の方がいらっしゃるかたは検査を受けた方が良いでしょう。男性と女性では、頻度に違いはありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

多くの患者さんでは「Gsαタンパク」というタンパク質が正常に機能しないことで発症するとされています。このタンパク質の設計図となる遺伝子(DNA)の生まれつきの異常が原因です。「DNAの生まれつきの異常」の多くは遺伝しますが、なかには遺伝しないものもあります。また、遺伝子検査をしても、この遺伝子の異常がみつからない患者さんもいます。

5. この病気は遺伝するのですか

遺伝することもありますし、しないこともあります。病気になる遺伝子の異常をもっていても病気の症状が見られないかたもいらっしゃいます。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

血液のカルシウム濃度が低下したときの症状はさまざまです。比較的特徴的なのは、「テタニー」と呼ばれる特徴的な手足の筋肉の「つっぱり」や「けいれん」、手足や口の周りの「しびれ感」です。けいれんが高度の場合には全身におよぶ「てんかん」のような発作になったり、意識消失発作のような形をとることもあります。白内障も起こりやすくなります。

またこの病気にはいくつかのタイプがあり、骨格の変化(皮膚の下の本来骨のない場所に骨ができる、手足の指が短い、身長が低い、丸顔)、肥満、知的障がいを伴うことの多いタイプもあります。

甲状腺ホルモンの不足があり、お薬で補充をしなければならない患者さんもいますが、このホルモンの不足の程度は比較的軽く、症状もはっきりしないことが多いです。そのほかのホルモンが効きにくいことで、こどもが出来にくい体質だったり、月経の異常がおこることもあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

血液のカルシウム濃度を正常範囲に近づければ、血液のカルシウム濃度の低下による症状はなくなります。けいれんなどの症状が強いときは一時的にカルシウム製剤の注射薬を使うこともあります。普段の治療は活性型ビタミンD製剤を決められた量で毎日1~2回飲んでいただきます。状況によってはカルシウム製剤の内服薬をいっしょに飲んでいただくこともあります。治療に使う活性型ビタミンD製剤は、食品に含まれるビタミンDや市販のサプリメントに含まれるようなビタミンDとは構造が少し違います。お薬の量や種類は、血液検査や尿検査の結果で調節する必要があります。

不必要な骨ができたり、指が短いという骨格の症状が強いかたでは、手術によって取り除くことを整形外科などで検討してもらいます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

活性型ビタミンD製剤による治療を継続して血液のカルシウム濃度をほぼ正常に維持することにより、多くの患者さんはほとんど自覚症状もなく通常の生活をおくることができます。寿命が短くなるようなこともきちんと治療していれば通常はありません。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

服薬を中断すると血液のカルシウム濃度が低下し症状がでることがありますので、定期的に服薬を続けることがとても重要です。必要とする薬の量は個人個人で違いますし、年齢や腎機能の変化などによっても変わります。自己判断で薬をやめたり、量を変えたりすることなく、定期的に医療機関を受診し血液検査と尿検査などをおこない、そのときに応じて適切な治療を続けることが大事です。

10. この病気に関する資料・関連リンク

内分泌学会 低カルシウム血症の鑑別診断の手引き
https://square.umin.ac.jp/endocrine/tebiki/003/003001.pdf

ホルモン受容機構異常に関する調査研究班名簿
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/naibunpitu1.pdf


治験情報の検索:国立保健医療科学院
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研究班名 -  
新規掲載日平成28年1月20日