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自己免疫性出血病XIII(指定難病288)

じこめんえきせいしゅっけつびょうXIII

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「自己免疫性出血病XIII」とはどのような病気ですか

自己免疫性出血病XIII/13は、血が固まる(凝固)ために必要なタンパク質の一つである凝固第XIII/13因子(第XIII/13因子)に結び付く抗体(自己抗体)ができて働かなくなるため、血を止める(止血)ための血の固まり(止血栓)が弱くなって簡単に壊れやすくなり、自然に(理由もなく)あるいは軽い打撲などでさえ重い出血をする病気です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

これまでに全国調査で確認された患者さんの数は57名ですから、国内では100人未満と思われます。ただし、この病気は医師にもあまり知られていないし、第XIII/13因子の異常を見つける「ふるい分け検査」がないので、見逃されている患者さんも多いようです。

3. この病気はどのような人に多いのですか

60〜70歳代の患者さんが大半で、男女差はあまりないようです。ただし、まれに他の自己免疫病(関節リウマチや全身性ループスエリテマトーデスなど)と一緒にこの病気にかかった若年女性もおられます。

4. この病気の原因はわかっているのですか

自分の第XIII/13因子に対して自己抗体が作られて第XIII/13因子が働かなくなること(インヒビター)や、第XIII/13因子とその自己抗体が合体したもの(免疫複合体)が迅速に除去されるために第XIII/13因子が血液から失われることが、出血の原因となる場合が多いと推測されています。何故、自己抗体ができるかは今のところ分かっていません(まれですが、薬剤が関係しているらしい症例も報告されています)。

5. この病気は遺伝するのですか

現在のところ遺伝しないようです。ただし、個人によってこの病気に「なり易さ」の体質が違うかもしれません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

血の固まる速さを調べるための一般的な止血検査(PT、aPTTなどの凝固時間)の値はあまり異常ではないのにも拘らず、突然あちこちに出血し始めます。軟らかい部分である筋肉・皮膚の出血が多いのですが、身体のどの部位にでも出血する可能性があります。急に大量に出血するので重い貧血になり、ショック状態を起こすこともあります。
出血する部位によっては、その部位に関係した症状が加わる(合併症)可能性があります。特に脳を含む頭蓋内の出血では脳神経系に、心臓や肺がある胸腔内の出血では循環系に重い障害を起こし、致命的となる場合もあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

先ず「出血を止める」ために濃縮第XIII/13因子製剤を注射することが必要です。ただし、「4. この病気の原因はわかっているのですか」に書いた自己抗体によるインヒビターや免疫複合体除去亢進があるので、注射した第XIII/13因子があっという間に効かなくなるため、それだけで長期間出血を止めることは難しいのです。したがって、さらに免疫を弱める薬(免疫抑制薬)を内服したり注射して「自己抗体を作らせない」ようにする必要があります。残念ながら、こうしたら絶対治るという方法はできていません。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

キチンと治療をすれば、いったん出血症状がなくなる症例がほとんどです。これまでの患者さんの経過を大まかに分類すると、1)寛解(いったん自己抗体がなくなっている)中の症例が約3割、2)発症後1年未満でまだ治療中の症例が約2割、3)なかなか自己抗体がなくならず遷延して長期療養中の症例が約2割、4)年余にわたり遷延して出血死する例が約1割、5)急性期に出血死する例が約1割、6)出血死した後に検体が届いてこの病気と診断される例が約1割です。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

第XIII/13因子の働きが正常の約半分に戻るまでは、激しい運動は避け、打撲などの外傷に注意し、もし手術や血が出るような検査が必要な時は、予め専門の医師(血液内科など)に必ず相談してください。

10. この病気に関する資料・関連リンク

厚生労働省HP 平成27年7月1日施行の指定難病(新規)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000085567.pdf
 
日本血栓止血学会HP 原因不明の後天性凝固異常症(出血症)疑い症例の特別検査再開のご案内 [15/04/16]
http://www.jsth.org/event/%e5%8e%9f%e5%9b%a0%e4%b8%8d%e6%98%8e%e3%81%ae%e5%be%8c%e5%a4%a9%e6%80%a7%e5%87%9d%e5%9b%ba%e7%95%b0%e5%b8%b8%e7%97%87%ef%bc%88%e5%87%ba%e8%a1%80%e7%97%87%e3%80%81%e8%a1%80%e6%a0%93%e7%97%87%ef%bc%89-2/


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情報提供者
研究班名 自己免疫性出血症治療の「均てん化」のための実態調査と「総合的」診療指針の作成 研究班
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新規掲載日平成27年9月11日