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早期ミオクロニー脳症(指定難病147)

そうきみおくろにーのうしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「早期ミオクロニー脳症」とはどのような病気ですか

生後1ヶ月以内(まれに3ヶ月以内)に発症する重いてんかん性脳症(てんかんのため知能障害や行動障害が起る状態)で、まぶた、顔、手足などの不規則で部分的な、ばらばらのピクピクした動き(erratic myoclonus:不規則なミオクローヌス)ではじまり、自動症(あちこちが勝手に動く)、呼吸を止める、顔が赤くなることなどを伴ういろいろな部分発作が現れます。時に全身をピクピクさせるミオクローヌス、後には体を固く突っ張る強直発作、一瞬びくんと動く発作(スパズム)もまれにあります。脳波が特徴的であり、全体的な発作波とほとんど平らになることを繰り返すサプレッション・バーストという形を示し、睡眠時によりはっきりします。発作は極めて頻発し、抗てんかん薬やACTH療法、ケトン食では止まらず、てんかん外科手術にも当てはまりません。発作の経過、発達の経過ともに極めて不良であり、半数は1歳以内に死亡し、残りも全て寝たきりになるという、非常に厳しい病気です。原因として、欧米では、生まれつき体の中で必要なものが作られない先天性代謝異常症が多いとされていますが、わが国では脳の形態異常が少なくありません。4つの遺伝子の異常が見つかっておりますが、極めてまれであり、それぞれ世界でも1~3人のみです。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

非常にまれな病気で、岡山県全体の調査では、13歳以下のてんかんの患者の1000人に1~1.7人と報告されています。未診断、未発表の例もあると思われますが、1988年~2014年までに日本で学会、研究会、論文に発表されたものは34例であり、もっとまれな可能性があります。

3. この病気はどのような人に多いのですか

生まれつきの病気であり、あとから何かの原因が加わって起るのではありません。欧米では非ケトン性高グリシン血症などの先天性代謝異常症がある人に多いとされていますが、わが国では少なく、むしろ脳形成異常などの脳の形態的異常を伴うものが多く見られます。わが国では、てんかんの発症前から発達の遅れが見られ、また1/3に新生児期に仮死などの異常があります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

原因は不明です。1で述べましたように遺伝子もわずかしか見つかっておりません。欧米では先天性代謝異常症が多いとされますが、わが国では少なく、脳の形態的異常を伴うものが多く見られます。ただ、脳形成異常も含めて、半数以上に別の病気(基礎疾患)または合併症が認められます。

5. この病気は遺伝するのですか

この病気でも兄弟やいとこの発症がありますが、遺伝子異常は1家系しか判明していません。わが国でも姉妹例が1組、姉弟例が1組おりますが、遺伝子異常はわかっていません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

まぶた、顔、手足などの不規則で部分的な、ばらばらのピクピクした動き(erratic myoclonus:不規則なミオクローヌス)ではじまり、自動症(あちこちが勝手に動く)、呼吸を止める、顔が赤くなることなどを伴ういろいろな部分発作(体の一部に起る発作)が現れます。時に全身をピクピクさせるミオクローヌス、後にまれには体を固く突っ張る強直発作、あるいは一瞬びくんと動く発作(スパズム)を示すこともあります。精神運動発達は発症前から遅れていますが、発症後からは発達は停止あるいは退行し、重症心身障害となります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

有効な治療法はありません。元の代謝異常症を治療するとよいとされ、ビタミンB6依存症にビタミンB6が著効、非ケトン性高グリシン血症にケトン食、トピラマートが有効各1例、原因不明の3例にトピラマートが有効という報告があります。それ以外では通常の抗てんかん薬、ACTH、ケトン食、免疫グロブリン静注は無効です。わが国では、リドカイン静注で発作群発抑制3例、うち2例はカルバマゼピン併用で発作抑制、ACTH、クロナゼパム、手術(多葉離断)で著効各1例、臭化カリウムとPBとの併用で初期には11例中10例で消失~有効だったが効果が持続しない、という報告があります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

重い基礎疾患のためまたは肺炎などの呼吸器感染症のために1歳までに半数が亡くなり、残りも寝たきりの重症心身障害となります。発作も通常は止まることはありません。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

基礎疾患、合併症への対応が重要です。また、重度の運動障害、知的障害となり、寝たきりで、経管栄養、日常生活全介助の重症心身障害児となり、しばしば呼吸障害を伴い、これらへの対応が必要であり、また呼吸障害や肺炎などで亡くなりますので、その早期治療が必要です。


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情報提供者
研究班名 稀少てんかんに関する調査研究班  
新規掲載日平成27年9月5日