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クロンカイト・カナダ症候群(指定難病289)

くろんかいとかなだしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. Cronkhite Canada症候群とは

おもに胃や大腸にポリープが無数に広がって発生する消化管の腫瘍性の疾患です。消化管以外に、脱毛、爪の萎縮、皮膚の色素沈着という特徴的な皮膚症状がみられます。(図1)

図1 クロンカイト・カナダ症候群の症状

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

1955年に初めて報告されて以来、近年までに世界で500例ほど報告されている稀な疾患です。そのうち、日本からの報告が360例ほどを占めています。2012~2013年に全国983医療施設への実態調査をおこなったところ、2000年以降に診断されたクロンカイト・カナダ症候群の症例数は210例でした。

3. この病気の患者さんはどのような人に多いのですか

診断時の平均年齢は63.5歳で、男女比は男性が女性の1.84倍多いとされます(図2)。発症に関連の強い遺伝子や食生活・飲酒・喫煙などの環境因子の報告はありません。
 
図2 クロンカイト・カナダ症候群の診断時の年齢
(本邦での2000年以降の診断症例に基づく。関連資料①②参照)

4. この病気の原因は分かっているのですか

原因は明らかになっていません。

5. この病気は遺伝するのですか

家族内での発症の報告が数例ありますが、遺伝性疾患ではないと考えられています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

慢性的に下痢や腹部の違和感が続き、栄養状態の悪化に伴って、体重減少やむくみなどの全身の症状がみられることがあります。脱毛、爪の萎縮、皮膚の色素沈着などの皮膚症状を呈することを特徴とします(図1)。
頻度は低いものの、重大な合併症としては、胃や大腸からの大量の出血(10%)や腸重積(5%)、また胃癌や大腸癌の合併が一般人口に比べると高率にみられます。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

原則的には副腎皮質ステロイド剤による内科的治療が行われます。代表的な薬剤としてプレドニゾロンがあります。経口(内服)投与あるいは、経静脈的に(点滴)投与されます。多くの場合は薬物療法や栄養サポート(食事療法)などの内科的治療で改善します。しかし、内科治療で効果が不十分の場合には、あるいは大量の出血・腸重積・癌などのため、外科手術が行われることがあります。

8. この病気はどのような経過をたどるのですか

腹部症状・皮膚所見・胃腸のポリープは、治療により多くは症状の改善がみられます。症状が消失する場合もあります。症状の改善には、数か月にわたる時間がかかることが多いです。不十分な治療により再発も多いため、内視鏡でポリープの改善を確認した後に、内服薬の減量や中止を行うのが望ましいと考えられます。
一部ではありますが、胃癌・大腸癌を合併することがあります。早期に発見するため、症状がなくても定期的な内視鏡検査が望ましいと考えられます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

副腎皮質ステロイド剤による治療中は、医師の指示通りに服薬してください。自己判断による服用の減量・中止は危険です。手洗い、うがいなどを励行して、ウィルスや細菌などの感染の予防に努めましょう。生ワクチンの予防接種を受けることは出来ませんが、インフルエンザなどの不活化ワクチンの接種は支障ありません。ワクチン接種について主治医と相談してください。食生活は、バランスのよい食事・栄養管理を心掛けましょう。目に見える症状が改善しても、胃腸のポリープの回復が不十分なこともあります。ポリープが再び発生することもありますので、定期的に通院を続けてください。


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情報提供者
研究班名 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班
研究班名簿   
新規掲載日平成27年9月1日