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無βリポタンパク血症(指定難病264)

むべーたりぽたんぱくけっしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「無ベータリポ蛋白血症」とはどのような病気ですか

血液のコレステロールや中性脂肪が非常に低く,脂肪の吸収が出来ない事による下痢や成長障害,脂肪肝,脂溶性ビタミンの欠乏症状が起こる病気です.コレステロールや中性脂肪は水に溶けないため,血液の中ではリポ蛋白という粒子で存在しますが,LDLコレステロールなどを含むβリポ蛋白がほとんど無くなることから無βリポ蛋白血症と呼ばれます.

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

無βリポ蛋白血症の患者さんは100万人に1人以下と言われています.

3. この病気はどのような人に多いのですか

出生時までは明らかな異常は無いですが,授乳開始とともに脂肪吸収障害による脂肪便,慢性下痢,嘔吐が出現して気付かれることがあります.血液検査でLDLコレステロールなどが非常に低いことが診断のきっかけになります.

4. この病気の原因はわかっているのですか

この病気の原因は脂肪を吸収して血液に運搬するβリポ蛋白をつくるのに必要なミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)の遺伝子に異常があることです.

5. この病気は遺伝するのですか

ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)の遺伝子は二つあり,両親から一つずつ受け継ぎます.通常ご両親は一つだけに異常がある保因者で,病気は発症しません.無βリポ蛋白血症の患者さんのご兄弟(姉妹)は,1/4の確率で同じ病気である可能性があります.無βリポ蛋白血症の患者さんと遺伝子異常の無い方から生まれたお子さんは保因者になりますが,病気を発症することはありません.

6. この病気ではどのような症状がおきますか

授乳開始時より脂肪便,慢性下痢,嘔吐が出現し,発育障害をきたすこと多くなります.また成人までに徐々に脂溶性ビタミン(ビタミンA,Eなど)吸収障害による視力障害(夜盲症や網膜色素変性症),神経障害(脊髄小脳変性による運動失調,末梢神経障害による知覚低下など多彩),脂肪肝などの出現がみられます.また出血傾向や不整脈を伴う心臓病が出現することもあるとされています.

7. この病気にはどのような治療法がありますか

脂溶性ビタミンの補充療法が行われます.腸管からの吸収が障害されていますので大量に投与する必要があり,出来るだけ早期からの投与が重要です.網膜色素変性や神経変性の進行を抑えるためには特にビタミンEやビタミンAが重要とされています.下痢嘔吐など消化器症状については脂肪制限が行われます.吸収できる脂質として中鎖トリグリセリド(medium chain triglyceride)が用いられることもあります.

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

経過には個人差がありますが,典型例は成人までに網膜色素変性による視力障害および脊髄小脳変性による運動失調,末梢神経障害による知覚低下など多彩な神経障害が出現し,失明や歩行障害を含め徐々に進行します.幼児期から脂溶性ビタミン大量投与することによって,これらの神経障害を抑えることが出来たという報告があります.

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

脂肪吸収障害がありますので,脂肪摂取は避ける(特に長鎖脂肪酸)必要があります.一方で必須脂肪酸の摂取が推奨されます.

10. この病気に関する資料・関連リンク

専門医リスト:原発性高脂血症研究班


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情報提供者
研究班名 原発性高脂血症に関する調査研究班
研究班名簿   
新規掲載日平成27年8月26日