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有馬症候群(指定難病177)

ありましょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「有馬症候群」とはどのような病気ですか

有馬症候群は、1971年に有馬正高により報告された疾患で、乳児期早期より重度の発達の遅れ、視覚障害、腎障害、眼瞼下垂を呈し、脳の奇形(小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常)がみられ、小児期より腎透析などを必要とする遺伝性疾患です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

「有馬症候群の疫学調査および診断基準の作成と病態解明に関する研究」班による全国調査(2012年)では、7名の患者さんが報告されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

どのような人に多いという特徴は特にありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

上記研究班により、CEP290という繊毛に関連した遺伝子の異常が報告されています。

5. この病気は遺伝するのですか

常染色体劣性遺伝とされています。つまりご両親が原因の遺伝子異常をひとつずつ持っているけれど発症はしておらず、ご両親から一つずつ遺伝子異常を受け継いだお子さんに症状が出現します。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

症状は、乳児期早期よりの重度の発達の遅れ(運動発達の遅れと知的発達の遅れ)、視覚障害、小児期からの腎障害(進行性)、眼瞼下垂様顔貌がみられます。この他に、呼吸障害、肝機能障害、痙攣、眼球の動きの異常などがみられることがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

現在のところ根本的な治療法はありませんが、腎不全が進んできたら、腹膜透析、人工透析、腎移植などが行われています。また運動や知的な発達が遅れてきますので、それに対してリハビリテーションや、早期からの療育を行います。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

この病気では、腎障害が進行性であり、腎不全が小児期に起きて、それにより亡くなることが多くみられます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

幼少期に、腎不全から薄い尿が多量にでて、脱水、発熱という症状がみられることがあります。その場合には、適切な水分補給、電解質の補正などが必要となります。

10. この病気に関する資料・関連リンク

1)厚生労働科学研究費補助難治性疾患克服研究事業 有馬症候群の疫学調査および診断基準の作成と病態解明に関する研究. 平成23年度総括・分担研究報告書
 
2)厚生労働科学研究費補助難治性疾患等克服研究事業 繊毛障害による先天異常症候群の患者データベース構築と臨床応用のための基礎研究. 平成24年分担研究報告書度総括
 
3)厚生労働科学研究費補助難治性疾患等克服研究事業 繊毛障害による先天異常症候群の患者データベース構築と臨床応用のための基礎研究. 平成24-25年度総括・分担研究報告書
 
4)http://www.tobu-ryoiku.jp/research/mokuteki.html
繊毛障害による先天異常症候群の患者データベース構築と臨床応用のための基礎研究.ホームページ。

用語解説

繊毛:絨毛(cilia)は細胞から出た毛のような突起で、動かない一次繊毛(primary cilium)と動く繊毛(motile cilium)があります。これらは多くの臓器に存在し、個体の発生や器官形成・維持に大切な働きをしています。これらの機能がうまく働かないために、多くの臓器に異常が起きると考えられています。
 
小脳虫部:小脳虫部とは、小脳の中心部に存在し、体の動きの調整をしています。
 
脳幹:大脳の下方に存在し、中脳、橋、延髄が含まれます。生命を維持するのに必要な多くの機能が存在します。
 
常染色体劣性遺伝:染色体は、父由来と母由来の染色体が対になった22の常染色体と1対の性染色体があります。常染色体劣性遺伝では、常染色体上の原因遺伝子が対になった2本の遺伝子に異常がみられる遺伝形式をいいます。
 
眼瞼下垂:瞳孔にかぶさる程度に、目の瞼が普段から垂れ下がっている状態をいいます。有馬症候群では、片側であったり、日内変動があったりします。


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情報提供者
研究班名 ジュベール症候群とジュベール症候群関連疾患の診療支援と診療ガイドライン作成・普及のための研究班  
新規掲載日平成27年8月25日