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修正大血管転位症(指定難病208)

しゅうせいだいけっかんてんいしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「修正大血管転位症」とはどのような病気ですか

修正大血管転位症とは、左右の心室が入れ替わり、右房→解剖学的左室(右側)→肺動脈へ繋がり、左房→解剖学的右室(左側)→大動脈が起始します。血液の流れは、正常と同様に、静脈血は肺動脈へ、動脈血は大動脈へ流れます。その他に心臓内部の異常は無いこともありますが、心室中隔欠損、心室中隔欠損、肺動脈狭窄などが合併することもあります。血液の流れと症状は、合併する病態で大きく異なります。心室が入れ替わっているため、房室プロックや頻拍発作などの不整脈が合併することがあります。解剖学的右室は解剖学的左室と異なり、一生涯血圧を維持することは難しく、成人期以降に解剖学的右室の心不全が発症することがあります。
 

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

発生頻度は、0.00004%(生まれたお子さん25000人に一人)と稀です。先天性心疾患の0.4%を占めます。

3. この病気はどのような人に多いのですか

とくにどのような人に多いか、一般的な傾向はありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

正常の心臓が発生する過程では、心臓は1本の筒状になっています。それが右に屈曲して屈曲部は右心室になります。修正大血管転換症では、正常の右への屈曲ではなく、左に屈曲するために発生すると考えられますが、その原因は不明です。

5. この病気は遺伝するのですか

他の先天性心疾患と同様、多因子遺伝で必ずしも遺伝するものではありません。
一般的には、お母さんが先天性心疾患を持つ場合、お子さんが先天性心疾患を発症する可能性は2-12%、お父さんの場合には、お子さんが先天性心疾患を発症する可能性は1-3%と言われています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

修正大血管転位症では、心室中隔欠損と肺動脈狭窄・閉鎖合併例ではチアノーゼを示します。大きい心室中隔欠損があると乳児期から心不全症状がでます。房室ブロック、頻拍発作も多いです。心内合併疾患を伴わない場合、当初無症状ですが、成人期以降に房室ブロック、三尖弁閉鎖不全、右室(解剖学的)不全が出てくることがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

外科治療としては、修正大血管転位症では、心房中隔欠損閉鎖、心室中隔欠損パッチ閉鎖、または心外導管を用いて解剖学的左室と肺動脈を結ぶRastelli手術が行われます。解剖学的右室機能の長期予後を考慮して、心房位転換術とRastelli手術や大血管スイッチ術を組み合わせて、左室を動脈側心室とするダブルスイッチ(解剖学的修復)術が行われることもあります。難治性心不全の状態では、外科的修復が不可能で、内科的対症療法に限られることもあります

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

修正大血管転換症では、合併奇形の重症度で経過が異なります。右室機能不全などによる死亡があり、10年生存する率が64%との報告もあります。また、房室プロックは加齢とともに増えます。合併疾患が無い場合には、中高年までは無症状で、女性の場合は出産もされます。しかし50−60歳以降に心不全症状がでることが多くなります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

成長とともに、不整脈、三尖弁逆流、右室機能低下による心不全が問題となってきますので、息切れや疲れ易い、動悸、浮腫みなどの症状に気を付けましょう。無症状でも定期受診が大切です。幼児期に、ラステリ手術を受けた患者さんは、成長とともに右室からの導管が狭くなり、再手術が必要になることがあります。また、抜歯後などに、細菌性心内膜炎を起こすリスクがあり、抗生剤の予防内服が大切です。

10. この病気に関する資料・関連リンク

丹羽 公一郎他.循環器病の診断と診療に関するガイドライン(2010年度合同研究班報告)成人先天性心疾患診療ガイドライン(2011年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_niwa_d.pdf
 
中澤 誠.大血管転位. 中澤 誠編集.先天性心疾患.Medical View 2014,pp86-94


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情報提供者
研究班名 単心室循環症候群の予後に関する研究班
研究班名簿   
情報更新日平成29年12月7日