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後天性赤芽球癆(指定難病283)

こうてんせいせきがきゅうろう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「後天性赤芽球癆」とはどのような病気ですか

骨髄における造血幹細胞(赤血球、白血球および血小板を造りだすもとになる細胞)の増殖や分化の障害によって、赤血球が選択的に造られなくなる病気で、貧血を来たします。後天性とは生まれた後に発生した原因によって病気が発症したことを意味します。赤芽球癆には急性と慢性がありますが、公費助成対象となるのは慢性の後天性赤芽球癆です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

日本血液学会の疾患登録によりますと、2006年度から2013年度の8年間に合計425例、最近では1年間に約100人の新たな赤芽球癆の患者登録があります。後天性赤芽球癆と同様に指定難病である再生不良性貧血よりまれな病気です。

3. この病気はどのような人に多いのですか

発症年齢は、特発性赤芽球癆18~89歳(中央値55歳)、胸腺腫関連赤芽球癆27~82歳(中央値66歳)、大顆粒リンパ球性白血病関連赤芽球癆44~85歳(中央値63歳)で、中高年に多い病気です。

4. この病気の原因はわかっているのですか

後天性赤芽球癆には大きく分けて2つあり、原因を特定できない特発性赤芽球癆と、何らかの基礎疾患に伴う続発性赤芽球癆があります。続発性赤芽球癆の原因となるものとしては多くの病気が知られており、胸腺腫、リンパ系腫瘍(大顆粒リンパ球性白血病や悪性リンパ腫など)、固形腫瘍、リウマチ性疾患、ウイルス感染症、薬剤性などがあります。まれですが、妊娠に伴う赤芽球癆も報告されています。

5. この病気は遺伝するのですか

後天性赤芽球癆は遺伝する病気ではありません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

貧血による症状が主体で、易疲労感(疲れやすい)、倦怠感(だるい)、動悸、顔面蒼白などです。続発性赤芽球癆の場合には、基礎疾患による症状がでることがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

診断を受けたときに貧血が重篤で日常生活が障害されているときには、赤血球輸血が行われます。薬剤性赤芽球癆が疑われる場合には、原因薬剤として疑わしいものは中止ないしは他の薬剤に変更して、約1か月間経過観察します。この経過観察中に赤芽球癆の原因を見つけるための検査が行われます。赤芽球癆の原因となる病気が見つかった場合には、それに対する治療を行います。赤芽球癆の原因となる病気の治療により貧血が改善しない場合と、基礎疾患が見つからない特発性赤芽球癆の場合には、免疫抑制療法が行われます。免疫抑制薬としては、シクロスポリン、副腎皮質ステロイド、シクロホスファミドなどが用いられます。治療が奏効しない場合には、赤血球輸血が継続され、輸血後鉄過剰症の予防と治療のために、除鉄療法(鉄キレート療法)が行われます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

後天性慢性赤芽球癆に対する免疫抑制療法の効果は、副腎皮質ステロイドおよびシクロスポリンの奏効率がそれぞれ30~62%、65~87%、シクロホスファミドの奏効率は単剤で7~20%、副腎皮質ステロイドとの併用で46~56%と報告されています。特発性造血障害に関する調査研究班による本邦における全国調査の結果、特発性赤芽球癆、胸腺腫関連および大顆粒リンパ球性白血病関連赤芽球癆において、多くの場合、貧血の再燃を抑える治療(寛解維持療法)が必要であることが明らかにされています。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

後天性慢性赤芽球癆は免疫抑制療法が有効であることがわかっていますが、免疫抑制薬の中止は貧血の再燃と深く関連していることも明らかになっています。免疫抑制薬の減量と中止は主治医と良く相談して決めるべきです。
免疫抑制薬を内服している間は感染症の予防が大切になります。普段から食事前の手洗いとうがいに努め、食中毒を起こしやすい食品や調理法は避けることが重要です。また、インフルエンザの季節にはワクチン接種を受けることが薦められます。

関連ホームページのご紹介

特発性造血障害に関する調査研究班ホームページ
http://zoketsushogaihan.com/index.html


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情報提供者
研究班名 特発性造血障害に関する調査研究班  
新規掲載日平成27年7月31日