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特発性間質性肺炎(公費対象)

とくはつせいかんしつせいはいえん

この病気は公費負担の対象疾患です。公費負担の対象となるには認定基準があります。
(認定基準、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

特発性間質性肺炎の医療費の公費負担の対象となる条件を教えてください。

特発性間質性肺炎患者様の医療費の公費負担を受けるための認定基準を満たすには、まず特発性間質性肺炎としての確実な診断を受けていることが前提条件となります。外科的肺生検による病理診断は、特発性肺線維症の場合は胸部HRCT画像がその特徴的な所見を満たしていれば必要とされませんが、そのほかの6つの疾患の場合には必要とされます。その上でよく似た鑑別すべき疾患を否定でき、なおかつ安静時の動脈血酸素分圧や6分間歩行時の経皮的酸素飽和度から示される呼吸器症状を4段階に評価した重症度分類のうちⅢ~Ⅳに該当する場合、認定基準を満たす可能性があります。最終的に認定基準を満たしているか否かは認定審査会で検討され決定されます。

「原因不明」と「特発性」とは異なるものでしょうか?

特発性とは原因が不明であるという意味とほぼ理解してよいと思います。原因不明の間質性肺炎が「特発性間質性肺炎」であり特定疾患治療研究事業の対象ですから、正確な診断(確診)を受けた上で重症度の条件を満たせば国の医療費の自己負担の軽減に対する申請ができます。住所地管轄の保健所から申請書類を取り寄せ、主治医の先生に記載してもらって手続きをなさって下さい。

難病で知られている間質性肺炎ですが風邪などをひくとどんどん悪くなる一方と聞いております。その最悪の道を辿らないためにも、その対策を教えてください。

季節性あるいは新型インフルエンザはもちろん一般的ないわゆる風邪様症状にも十分注意する必要があります。インフルエンザに関しては一般的に予防接種はその症状を穏やかにする傾向がありますので主治医の先生にご相談をなさってください。一般的にはあまり人ごみの多いところには避け、手洗い、うがいをし、部屋を乾燥しすぎないようにまた、栄養と睡眠を十分にとるなど気をつけてください。発熱の後に急速に呼吸困難感が生じることも稀ではないので、主治医の先生とよく話し合ってそのときの対策を前もって決めておくことが肝要です。

担当医師より特発性器質化肺炎との診断をうけ、その際、難病ですかと聞いたところ難病ではないとの回答でした。しかしこちらのホームページには難病と書いてあり疑問に思いました。

特発性間質性肺炎には7つの疾患が含まれています。特発性器質化肺炎はそのひとつですので、特定疾患治療研究事業として国が指定する難病医療費公費負担制度の対象疾患になっております。特発性肺線維症以外は外科的肺生検による病理診断で確実な診断を受けること、および決められた重症度分類に当てはまることが条件となっております。条件を満たす場合にはお住まいの管轄の保健所から医療費助成の手続きの書類をお取り寄せいただき、主治医の先生に申請書類(臨床調査個人票)をお書きいただき、必要書類をそろえてまた保健所に申請していただければと思います。主治医の先生が「難病ではない」といわれたのは、おそらくはこうした制度上の「難病」の意味ではなく、臨床上治療が奏功しやすい疾患であるからだと思われます。特発性器質化肺炎の多くの患者様はステロイドを中心とする治療でほとんど完治することがまれでありません。治療に励んでください。

肺癌後の放射線肺炎は医療費の助成の対象にはならないのでしょうか、自宅療養も今月で3年と5ヶ月になります。

放射線肺炎は原因が特定し得ない間質性肺炎ではないので特発性間質性肺炎には入っていません。

特発性肺線維症と診断されている高齢の父親に肺がんも見つかりました。高齢でもあるので、何もせずに普通にしてますがこれからどうなっていくのか心配です。

肺線維症や間質性肺炎があると、抗がん剤や放射線治療などのがん治療で病態が悪化する可能性が高いことが知られています。外科的な肺癌摘出術後にも急激に病態が悪化する術後急性増悪もおこりやすいので、主治医の先生方もとても慎重になります。抗がん剤治療を受けないほうが長生きできることもありますので、主治医の先生とよくご相談ください。

間質性肺炎患者は運動してもいいのでしょうか?

一般的に息切れしない程度の運動はおすすめです。在宅酸素療法を受けている方でも、足の筋肉や呼吸筋を強くする専門的なプログラム(呼吸リハビリ)は歩行時の息切れ感を軽くします。ただし、運動中いつのまにか心臓に負担がかかるほどに低い酸素状態になっている危険性もあります。理想的には、指先で「動脈血酸素飽和度」を測定できる小さな機器(パルス・オキシメーター)で示される値が90%以上であることを確認しながら、歩行などの運動を続けることをお薦めいたします。飽和酸素濃度が90%以下のときには運動を休み、回復してからまた運動しましょう。特発性間質性肺炎や呼吸器機能障害の認定を受けて基準を満たしている場合には、パルス・オキシメーターを購入する際に市区町村で助成制度がありますのでご確認ください。

間質性肺炎患者は飛行機に乗れるのでしょうか?

飛行中機内では気圧が下り、機内の酸素分圧も下がるため、乗客の血中酸素濃度も低くなります。どうしても飛行機による移動が必要なときには、旅行会社から診断書を取り寄せ、主治医に相談して機内で酸素を吸入するような手続きをとりましょう。また機内における感染にも十分な配慮が必要です。

「気腫合併肺線維症」について教えてください。

肺が壊れて拡がってできる肺気腫(今ではCOPDの一部として知られています)病変が、間質性肺炎/肺線維症患者さんの肺におきている疾患です。多くは喫煙歴のある患者さんで、上肺野に気腫病変が、下肺野に線維化病変が様々な程度におきています。線維化が進行するにつれ肺気腫病変もさらにひろがりますので、日常生活などでも息切れを強く感じることになります。一般の肺機能検査や胸部X線検査だけでは診断が難しいので原因不明の息切れとされていることも少なくありません。診断と治療指針はまだ定まっていませんが、間質性肺炎/肺線維症の進行を抑制することで息切れを改善する試みがされています。
情報提供者
研究班名 呼吸器系疾患調査研究班(びまん性肺疾患)
研究班名簿   
情報更新日平成24年5月28日