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原発性硬化性胆管炎(指定難病94)

げんぱつせいこうかせいたんかんえん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1.原発性硬化性胆管炎(PSC)とは

食物の消化や吸収に関わる胆汁は肝臓で1日あたり約1リットル生成されて胆管という管に排泄されます。胆汁は肝臓内の細い胆管を経て、空腹時に胆嚢で濃縮されたのち,食事(食物摂取)による胆嚢収縮によって太い胆管を経て十二指腸内に排泄されます(下図)。その胆管が障害されると胆汁の流れが悪くなり、黄疸が起こることがあります。原発性硬化性胆管炎(PSC)はその胆管が障害されて胆管が狭くなり,胆汁の流れが滞り悪くなるとともに肝臓の働きが悪くなる病気です。

2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

2003年の全国アンケート調査では、1975年から2003年の約30年間で388例、2014年の調査では2005年以降で197例のPSCが集計されています。2007年に行った疫学調査から、患者総数は約1,200人と推定されています。

3.この病気はどのような人に多いのですか

頻度は男性にやや多く、発症年齢は20歳代と60歳代に2つのピークがみられます。肝内胆管だけでなく肝外胆管にも異常を認める症例が多く、34~38% の症例で潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を合併します。一方、炎症性腸疾患におけるPSCの合併率はそれほど高くはありません。

4.この病気の原因はわかっているのですか

炎症性腸疾患を合併することが多いことから、大腸の働きが障害されて腸内細菌が持続的に肝臓や胆管に流入することや、免疫異常、遺伝的異常などが推定されていますが解明には至っていません。

5.この病気は遺伝するのですか

遺伝はしませんが、自己免疫性疾患では家族内発症がみられ、遺伝的素因も発症に係わっているので、PSCでも同様のことがあるかも知れません。

6.この病気ではどのような症状がおきますか

PSCでは、黄疸やかゆみが主な症状ですが、無症状で人間ドックや検診で肝機能検査異常や腹部エコーの画像における異常所見により見つかる場合もあります。

7.この病気にはどのような治療法がありますか

初期にはUDCAという胆汁排泄を促す薬が有効ですが、病態に応じてベザフィブラートなどその他の内服治療や内視鏡による胆管拡張治療が行われます。ただ、それらの治療は病気の進行を抑えているかは不明です。進行して肝不全に陥ると肝移植しか救命法がなく、わが国ではほとんどの場合、生体部分肝移植が行われています。

8.この病気はどういう経過をたどるのですか

無症状のまま経過するものや、UDCAの服薬で良好な経過をたどるものもあります。やがて病気が進むと黄疸や掻痒(かゆみ)に加えて、発熱や腹痛を伴う胆管炎を合併したり、肝硬変や肝臓内の胆管癌を合併することもあります。肝移植が有効とされていて移植後5年生存率75%とですが再発も少なくありません。

9.この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

まれな病気ですので専門医による定期的なフォローアップを受ける必要があります。過度の飲酒は症状や検査所見の悪化を招きます。経過中に胆石や胆管炎、胆管癌を合併することがありますし、病気が進むと肝硬変や肝不全に至りますので、血液検査と腹部エコーやCTなどの画像検査を定期的に受けておくことです。

10.この病気に関する資料

・消化器系疾患調査研究班(難治性の肝・胆道疾患) 研究班名簿 (平成25年10月31日)
・田中 篤ほか.硬化性胆管炎の全国調査.胆道2013:27巻2号:p.176-187公開日: 2013年08月05日


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情報提供者
研究班名 難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班
研究班名簿  研究班ホームページ 
情報更新日平成27年2月12日