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自己貪食空胞性ミオパチー(指定難病32)

じこどんしょくくうほうせいみおぱちー

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「自己貪食空胞性ミオパチー」とはどのような病気ですか

全身の骨格筋の筋細胞の中に特異な空胞(自己貪食空胞)が出現するきわめてまれな遺伝性の筋肉の病気(ミオパチー)で、現在のところ、発症のメカニズムは不明で、治療方法も確立していません。代表的な疾患に、1)ダノン病、と2)過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)、がありますが、この他に、病気について十分わかっていないタイプが複数あります。ダノン病は、重症の心筋症と進行性の四肢の筋力低下・筋萎縮を来す予後不良な病気です。一方のXMEAは、心筋障害を伴うことはなく、進行性の四肢の筋力低下・筋萎縮がみられます。生命予後に影響して20歳代で死亡する病気から、寿命は全うするも日常生活動作が強く障害される病気まで、様々なタイプが含まれます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

正確には不明ですが、大変まれな病気です。これまでに、全世界で約150例の報告があるのみです。国内では、約30例確認できています。比較的日本人での報告が多いですが、全世界で患者の報告があり、地域による偏りはないようです。

3. この病気はどのような人に多いのですか

この病気の多くが遺伝性の病気で、病気に関係する遺伝子に異常があると発症する可能性があります。ダノン病では、男女ともに発症しますが、過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)では、男性のみが発症します。その他のタイプについては十分に分かっていません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

人間は46本の染色体をもっていて、性別を決定する染色体である性染色体には、X染色体とY染色体があります。ダノン病と過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)では、そのX染色体に病気の原因となる遺伝子があることがわかっています。しかし、どのようなメカニズムで病気が発症するかについては十分わかっていません。その他のタイプについては、原因となる遺伝子もいまだに不明です。

5. この病気は遺伝するのですか

ダノン病と過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)については、先にも記載しました通り、遺伝性の病気で、病気の原因となる遺伝子がわかっています。ダノン病、XMEAの両方が、X染色体に関連するタイプ(X連鎖性)ですので、X染色体を1つしか持たない男性で発症がみられます。しかし、ダノン病では優性遺伝であるため、女性にも発症します。男性の親から男性の子へは遺伝はしません。多くは、女性の母親から男性の子供へ遺伝します。その他のタイプについては、原因となる遺伝子もいまだに不明です。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

病気のタイプによりますが、1)骨格筋障害:ゆっくり進行する四肢筋力低下と筋萎縮、2)心筋障害:進行する重症の心筋症と不整脈、3)知的障害、を認めます。ダノン病の男性患者では1)~3)まですべて認めますが、女性患者では、1)のみです。一方の過剰自己貪食を伴うミオパチー(XMEA)では、おおむね1)のみがみられます。
発症する年齢は様々で、生まれた時から50歳代まで報告があります。網膜症や末梢神経障害、肝障害、肺水腫、脳卒中を合併することがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

現在のところ、根本的な治療法は確立していません。心筋障害が将来を決定するため、心不全の治療が重要です。様々な投薬治療や、不整脈に対する治療も必要になることがあります。ペースメーカーや除細動器を使用することもあります。さらには、心臓移植も治療の選択肢に挙がります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

ダノン病では、男性では10代に発症し、20歳代には死亡、女性では、30代に発症、40代に死亡することが多いです。心筋障害の治療が重要で、心不全が死因となります。過剰自己貪食を伴うミオパチーや他のタイプでは、心筋障害を伴うことはなく、筋肉の症状が主体で、比較的症状の進行は緩やかです。40歳以降で歩行や移動に介助を必要とすることがあります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

生活環境によって病気の発症を防ぐことは困難ですが、心筋障害の治療や心不全の予防が重要です。一般的には過剰な運動は避ける必要があります。心筋障害を伴わないタイプでは、筋力低下や筋萎縮に対しては適度な運動療法を考慮する必要があります。

10. この病気に関する資料・関連リンク

平成21-23年「自己貪食空胞性ミオパチー」研究班
平成24年~「希少難治性筋疾患」研究班


治験情報の検索:国立保健医療科学院
※外部のサイトに飛びます。

情報提供者
研究班名 希少難治性筋疾患に関する調査研究班
研究班名簿   
新規掲載日平成27年1月5日