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肺動脈性肺高血圧症(指定難病86)

はいどうみゃくせいはいこうけつあつしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1) 概要

a. 定義
肺動脈性肺高血圧症の最初の認定には、右心カテーテル検査で肺動脈平均圧 ≥ 25 mmHg、肺動脈楔入圧は正常(左心系の異常はない)であることが必須である。加えて、肺血管抵抗で3 Wood unit、240 dyne・sec・cm-5以上と定義されている。さらに、肺血流シンチグラムにて区域性血流欠損なし(ほぼ正常)の所見が必要である。認定の際に参考とする所見は、心エコー検査で推定肺動脈圧の著明な上昇および右室拡大所見を認めること、胸部X線検査で肺動脈本幹部の拡大を認めること、心電図で右房/右室負荷所見を認めることである。左心系疾患による肺高血圧症、呼吸器疾患による肺高血圧症(呼吸器疾患を合併する肺動脈性肺高血圧症は認める)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を除外する必要がある。認定の更新時には、肺高血圧の程度は新規申請時より軽減していても、肺血管拡張療法などの治療が必要な場合は認める。

b. 疫学
「呼吸不全に関する調査研究班」による調査では、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の認定患者数は2,299名(2014年度)である。

c. 病因・病態
肺動脈性肺高血圧症といっても、特発性、膠原病・門脈圧亢進症を伴う場合、薬剤性など病態は同一ではない。しかし、いずれの場合もその原因は解明されておらず、難病に指定されている。特発性の一部は骨形成蛋白(BMP)システム異常が関与しているが、それだけでは病気は起こらない。何らかの他の病因も関与すると考えられている(遺伝的素因に後天性要因が加わり発症する)。肺血管壁を構成している血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞が異常増殖し、細胞外基質が蓄積するため、血管が硬くなり内腔が狭くなり、結果として血流の流れが悪くなり、心臓に負担がかかることになる。原因の解明に向けて呼吸不全に関する調査研究班では研究を継続している。
肺動脈性肺高血圧症は、肺の動脈が障害される病気であるので、必ず心臓(右心室;肺へ向かう血液を送り出す心臓の部屋)に負担がかかる。右心室の壁が厚くなり、右心室の大きさが拡大し、右心室の機能が低下するため十分な血液が送り出せなくなる。右心室が拡大するため、左心室の大きさが相対的に小さくなる。肺高血圧症に合併する病気として、膠原病、先天性心疾患、肝臓疾患(門脈圧亢進症)などが挙げられる。肺動脈性肺高血圧症と類似している病態が、左心不全、慢性呼吸不全を呈する病気(慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症など)、慢性肺血栓塞栓症などで起こることがあり、それらの病気が合併することもある。

d. 症状
自覚症状として肺動脈性肺高血圧症だけに特別なものはない。この病気は肺の血管に異常が生じるため、心臓に多大な負担がかかり、結果として全身への酸素供給がうまくいかなくなる病気である。初期は、安静時の自覚症状はないのが通常である。しかし、体を動かす時に、ヒトはより多くの酸素が必要になる。この酸素の供給が十分にできなくなるのが、肺動脈性肺高血圧症であり、それによる症状が出現する。すなわち、体を動かす時に息苦しく感じる、すぐに疲れる、体がだるい、意識がなくなる(失神)などである。病気が進むと、心臓の機能がより低下するために、足がむくむ、少し体を動かしただけでも息苦しいなどの症状が出現する。

e. 治療
治療薬として従来使用されてきたのは、抗凝固薬(血管内で血栓が生じるのを予防する)と利尿薬(循環血漿量を減少させて、心臓の負担を減らす)であり、さらに酸素療法(心臓の機能が低下して全身への酸素供給能力が低下しているので、吸入酸素濃度を上昇させてそれを補う)が施行されている。但し、抗凝固薬は、特発性肺動脈性肺高血圧症(遺伝性を含む)の時にのみ有効な可能性があり、他の原因の肺動脈性肺高血圧症での使用は必ずしも推奨されない。肺血管を拡げて血流の流れを改善させる肺血管拡張薬の使用が明らかな効果をあげている。肺血管を拡げるプロスタサイクリンおよびその誘導体、肺血管を収縮させるエンドセリンが平滑筋に結合することを防ぐエンドセリン受容体拮抗薬、血管平滑筋の収縮を緩めるサイクリックGMPという物質の分解を抑制しその濃度を高めるホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬、さらにサイクリックGMPという物質の産生を増加させる可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬である。近年、これらに関係する多くの薬剤が保険承認されているが、その使用法に関しては、専門医と相談することが望ましい。

f. ケア
「肺動脈性肺高血圧症」は一つの病気ではなく、さまざまの病気の合併症としても起こる。共通点は、「肺動脈性肺高血圧症」は、肺動脈の血液の流れが障害される病気であり、必ず心臓(右心室;肺へ向かう血液を送り出す心臓の部屋)に負担がかかっている。右心室の壁が厚くなり、右心室の大きさが拡大し、右心室の機能が低下するため十分な血液が送り出せなくなる。さらに右心室が拡大するため、左心室の大きさが相対的に小さくなる。「肺動脈性肺高血圧症」に必ず伴う合併症は、心不全(右心不全)である。但し、潜在的な右心不全(症状がまだでない)という段階から、明らかに症状が出現する場合まで、程度は様々である。この心臓の機能低下を回復させる、ないしは進行を遅らせる治療法が「肺血管拡張療法」「在宅酸素療法」になる。専門医とよく相談をして、ケアを継続する必要がある。 

g. 食事・栄養
水分/塩分の過剰摂取は心臓に負担をかける可能性もある。

h. 予後
未治療IPAH/HPAHの5年生存率は、肺血管拡張療法導入前は40%と不良であったが、肺血管拡張療法が保険適用になった2005年以降は改善しており、治療可能例の5年生存率は70~80%まで改善している。死亡例は、突然死ないしは右心不全死が多い。

2) 診断

① 診断基準
肺動脈性肺高血圧症の診断には、右心カテーテル検査による肺動脈性の肺高血圧の診断とともに、臨床分類における鑑別診断、および他の肺高血圧を来す疾患の除外診断が必要である。

(1) 検査所見
① 右心カテーテル検査で
(a) 肺動脈圧の上昇(安静時肺動脈平均圧で25mmHg 以上、肺血管抵抗で3 Wood unit、240 dyne・sec・cm-5以上)
(b) 肺動脈楔入圧(左心房圧)は正常(15mmHg 以下)

② 肺血流シンチグラムにて区域性血流欠損なし(特発性または遺伝性肺動脈性肺高血圧症では正常又は斑状の血流欠損像を呈する)

(2) 参考とすべき検査所見
① 心エコー検査にて、三尖弁収縮期圧較差40mmHg 以上で、推定肺動脈圧の著明な上昇を認め、右室拡大所見を認めること。
② 胸部 X 線像で肺動脈本幹部の拡大、 末梢肺血管陰影の狭小化
③ 心電図で右室肥大所見

(3) 主要症状及び臨床所見
① 労作時の息切れ
② 易疲労感
③ 失神
④ 肺高血圧症の存在を示唆する聴診所見(Ⅱ音の肺動脈成分の亢進など)

(4) 肺動脈性肺高血圧症の臨床分類
以下のいずれかについて鑑別すること。
① 特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症
② 膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症
③ 先天性シャント性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症
④ 門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症
⑤ HIV感染に伴う肺動脈性肺高血圧症
⑥ 薬剤誘発性の肺動脈性肺高血圧症
但し、先天性シャント性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症の場合は、手術不能症例、及び手術施行後も肺動脈性肺高血圧症が残存する場合を対象とする。その際は、心臓カテーテル検査所見、心エコー検査所見、胸部X線・胸部CTなどの画像所見、などの検査所見を添付すること。

(5) 下記の肺高血圧をきたす疾患を除外できること
以下の疾患は肺動脈性肺高血圧症とは病態が異なるが、肺高血圧ひいては右室肥大、慢性肺性心を招来しうるので、これらを除外する。
① 左心系疾患による肺高血圧症
② 呼吸器疾患及び/又は低酸素血症による肺高血圧症
③ 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
④ 肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症
⑤ その他の肺高血圧症(サルコイドーシス、ランゲルハンス細胞組織球症、リンパ脈管筋腫症、大動脈炎症候群、肺血管の先天性異常、肺動脈原発肉腫、肺血管の外圧迫などによる二次的肺高血圧症)
但し、呼吸器疾患及び/又は低酸素血症による肺高血圧症では、呼吸器疾患及び/又は低酸素血症のみでは説明のできない高度の肺高血圧が存在する症例がある。 この場合には肺動脈性肺高血圧症の合併と診断して良い。その際には、心臓カテーテル検査所見、胸部X線、胸部CTなどの画像所見、呼吸機能検査所見などの検査所見を添付すること。

(6) 認定基準
以下の項目をすべて満たすこと。
① 新規申請時
1) 診断のための検査所見の右心カテーテル検査所見および肺血流シンチグラム所見を満たすこと。
2) 除外すべき疾患のすべてを除外できること。
3) 肺動脈性肺高血圧症の臨床分類①∼⑥のいずれかに該当すること。

② 更新時
1) 右心カテーテル検査所見または参考とすべき検査所見の中の心臓エコー検査の所見を満たすこと。
2) 参考とすべき検査所見の中の胸部 X 線所見か心電図所見のいずれかを有すること。
3) 除外すべき疾患のすべてを除外できること。
4) 肺動脈性肺高血圧症の臨床分類①∼⑥のいずれかに該当すること。

なお、更新時には、肺高血圧の程度は新規申請時よりは軽減もしくは正常値になっていても、肺血管拡張療法などの治療が必要な場合は認める。

② 重症度分類

Stage3以上を対象とする。
肺高血圧機能分類を以下に記載する。

NYHA 心機能分類
Ⅰ度:通常の身体活動では無症状
Ⅱ度:通常の身体活動で症状発現、身体活動がやや制限される
Ⅲ度:通常以下の身体活動で症状発現、身体活動が著しく制限される
Ⅳ度:どんな身体活動あるいは安静時でも症状発現

WHO 肺高血圧症機能分類(WHO-PH)
Ⅰ度:身体活動に制限のない肺高血圧症患者

普通の身体活動では呼吸困難や疲労、胸痛や失神などを生じない。

Ⅱ度:身体活動に軽度の制限のある肺高血圧症患者

安静時には自覚症状がない。普通の身体活動で呼吸困難や疲労、胸痛や失神などが起こる。

Ⅲ度:身体活動に著しい制限のある肺高血圧症患者

安静時に自覚症状がない。普通以下の軽度の身体活動で呼吸困難や疲労、胸痛や失神などが起こる。

Ⅳ度:どんな身体活動もすべて苦痛となる肺高血圧症患者

これらの患者は右心不全の症状を表している。
安静時にも呼吸困難および/または疲労がみられる。
どんな身体活動でも自覚症状の増悪がある。


(新規申請時)

新規申請時

自覚症状

平均肺動脈圧(mPAP)

心係数(CI)

肺血管拡張薬使用

Stage 1

WHO-PH/NYHA I~II 

40 > mPAP ≥ 25 mmHg

 

使用なし

Stage 2

WHO-PH/NYHA I~II

mPAP ≥ 40 mmHg

 

使用なし

Stage 3

WHO-PH/NYHA I~II

mPAP ≥ 25 mmHg

 

使用あり

 

WHO-PH/NYHA III~IV

mPAP ≥ 25 mmHg

CI ≥ 2.5 L/min/m2

使用の有無に係らず

Stage 4

WHO-PH/NYHA III~IV

mPAP ≥ 25 mmHg

CI < 2.5 L/min/m2

使用の有無に係らず

Stage 5

WHO-PH/NYHA IV

mPAP ≥ 40 mmHg

 

使用の有無に係らず

 

 

 

 

PGI2持続静注・皮下注継続使用が必要な場合は自覚症状の程度、mPAPの値に関係なくStage 5

自覚症状、mPAP、CI、肺血管拡張薬使用の項目すべてを満たす最も高いStageを選択

(更新時)

更新時

自覚症状

心エコー検査での三尖弁収縮期圧較差(TRPG)

肺血管拡張薬使用

Stage 1

WHO-PH/NYHA I~III

TRPG < 40 mmHg
または、有意なTRなし

使用なし

Stage 2

WHO-PH/NYHA I, II

TRPG ≥ 40 mmHg

使用なし

 

WHO-PH/NYHA I

TRPG < 40 mmHg
または、有意なTRなし

使用あり

Stage 3

WHO-PH/NYHA I~II

TRPG ≥ 40 mmHg

使用あり

 

WHO-PH/NYHA III

TRPG ≥ 40 mmHg

使用の有無に係らず

 

WHO-PH/NYHA II, III

TRPG < 40 mmHg

使用あり

Stage 4

WHO-PH/NYHA II, III

TRPG ≥ 60 mmHg

使用の有無に係らず

 

WHO-PH/NYHA IV

TRPG < 60mmHg

使用の有無に係らず

Stage 5

WHO-PH/NYHA IV

TRPG ≥ 60 mmHg

使用の有無に係らず

 

 

 

PGI2持続静注・皮下注継続使用が必要な場合はWHO-PH分類、mPAPの値に関係なくStage 5

自覚症状、TRPG、肺血管拡張薬使用の項目すべてを満たす最も高いStageを選択

(参考)

 

  • stage3以上では少なくとも2年に一度の心カテによる評価が望ましい。しかし、小児、高齢者、併存症の多い患者など、病態により心カテ施行リスクが高い場合は心エコーでの評価も可とする。
  • 正確ではないが、TRPGの40mmHgは、mPAPの25 mmHgに匹敵する。TRPGの60mmHgは、mPAPの40mmHgに匹敵する。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要な者については、医療費助成の対象とする。

 

3) 治療、治療指針

慢性期、寛解期の治療に関して概説する。増悪の病態は多岐に亘るため、増悪期の治療は、専門医と相談すべきである。
PAHに対する支持療法としては経口抗凝固薬、利尿薬、酸素療法が挙げられる。近年、数多くの肺血管拡張療法が開発され臨床的効果をあげている。肺血管平滑筋を弛緩させるプロスタサイクリンおよびその誘導体、肺血管を収縮させるエンドセリンが平滑筋上の受容体に結合することを防ぐエンドセリン受容体拮抗薬、血管平滑筋を弛緩させるサイクリックGMP(cGMP)を増加させるホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬、NOの非存在下でも可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)活性を刺激して細胞内cGMP濃度を上昇させるsGC刺激薬である。病態(重症度)に応じて使用されているが、重症例での薬物併用療法をどのようにすべきかは、世界的に研究が進行中である。最近になり逐次追加併用療法に加え、一部の血管拡張薬で初期併用療法のエビデンスも示された。
初期治療に関しては勧告の程度、エビデンスのレベルが設定されているので、参考に図をみて頂きたい。

1) 勧告の程度
クラスI 治療の有効性に関する証明がある、見解が広く一致(推奨/適用)
クラスII 治療の有効性、見解が一致しない場合がある

IIa 有効である可能性が高い(考慮すべき)
IIb 有効性がそれほど確立されていない(考慮しても良い)
クラスIII 有効でなく、時に有害となる可能性あり(推奨不可)
2) エビデンスレベル
レベルA 複数の無作為化試験/メタ解析によるデータ
(post-hoc解析、サブグループ解析は、レベルAを満たさない場合が多い)
レベルB 1件の無作為化試験、大規模非無作為化試験によるデータ
レベルC 専門家の合意、小規模試験/後ろ向き試験、レジストリーデータ

文献
1) Updates in pulmonary hypertension. (ed. G. Simonneau, N. Galié) J Am Coll Cardiol 62 (Suppl), A1-8, D1-128, 2013.

 

4) 鑑別診断

 鑑別診断のためのアプローチ方法を図で示す。

図. 肺高血圧症の診断アプローチ
BGA:動脈血液ガス分析、RHC:右心カテーテル検査、PAWP:肺動脈楔入圧、PVR:肺血管抵抗、PEA:肺動脈血栓内膜摘除術(Definitions and diagnosis of pulmonary hypertension. (M. Hoeper) J Am Coll Cardiol 62(Suppl), D42-50, 2013.より引用、日本語翻訳)

1) 特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症
膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症、先天性シャント性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症、 門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症、HIV感染に伴う肺動脈性肺高血圧症、薬剤誘発性の肺動脈性肺高血圧症、左心系疾患による肺高血圧症、呼吸器疾患及び/又は低酸素血症による肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、その他の肺高血圧症が除外できた場合には、特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症と診断可能である。

2) 膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症
それぞれの膠原病の診断基準に合うかどうかをチェック

3) 先天性シャント性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症
心臓エコー検査でシャント性心疾患の有無をチェック

4) 門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症
腹部エコー検査で門脈圧亢進症を示唆する所見があるか否かをチェック

5) HIV感染に伴う肺動脈性肺高血圧症
血液検査でHIVが陽性か否かをチェック

6) 薬剤誘発性の肺動脈性肺高血圧症
服薬歴をチェック

7) 左心系疾患による肺高血圧症
心臓エコー検査で左心系疾患をチェック

8) 呼吸器疾患及び/又は低酸素血症による肺高血圧症
呼吸器疾患が基礎疾患としてあるか否かをチェック。呼吸器疾患及び/又は低酸素血症による肺高血圧症では、呼吸器疾患及び/又は低酸素血症の存在のみでは説明のできない高度の肺高血圧が存在する症例がある。 この場合には肺動脈性肺高血圧症の合併と診断して良い。その際には、心臓カテーテル検査所見、胸部X線、胸部CTなどの画像所見、呼吸機能検査所見などの検査所見を総合的に判定する。

9) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
肺血流スキャンで、区域性欠損があるか否かをチェック

10) その他の肺高血圧症
サルコイドーシス、ランゲルハンス細胞組織球症、リンパ脈管筋腫症、大動脈炎症候群、肺血管の先天性異常、肺動脈原発肉腫、肺血管の外圧迫などによる二次的肺高血圧症を考慮する。

5) 本疾患の関連資料・リンク

呼吸不全に関する調査研究班HP  http://kokyufuzen.umin.jp/
千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学HP 肺高血圧症センター
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/respir/index.html
呼吸不全に関する調査研究班(巽浩一郎、他). 肺動脈性肺高血圧症(PAH)および慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH). 日本呼吸器学会雑誌 48: 551-564, 2010.


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情報提供者
研究班名 呼吸不全に関する調査研究班
研究班名簿  研究班ホームページ 
情報更新日平成26年12月27日