オクシピタル・ホーン症候群(指定難病170)

おくしぴたるほーんしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「オクシピタル・ホーン症候群」とはどのような病気ですか

体の中にごく少量存在する元素である銅の量が不足し、皮膚や血管などの組織に異常を示す病気です。皮膚を引っ張ると伸びやすい、血管が蛇行する、筋力が低下する、膀胱に憩室という病気を伴い感染を繰り返す、といった症状を示します。頭のレントゲンで後頭部の下の方に、小さな角のような骨が認められるため、オクシピタル(後頭骨の)・ホーン(角)症候群と呼ばれています。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

研究班の調査より、男子の出生68万人に1人の発症率とされています。女性にはまれにしか発症しません。

3. この病気はどのような人に多いのですか

男性に多く発症し、女性の患者さんは極めてまれです。

4. この病気の原因はわかっているのですか

ATP7A 遺伝子という遺伝子の異常により生じます。これにより銅に関係する 酵素 の働きが悪くなり、様々な症状につながります。

5. この病気は遺伝するのですか

X染色体劣性遺伝という遺伝性を示します。このためにほとんどは男性に発症し、女性の患者さんは極めてまれです。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

皮膚を引っ張ると伸びやすい、血管が蛇行する、筋力が低下する、膀胱に憩室という病気を伴い尿路感染を繰り返す、といった症状の他、慢性の下痢、鼠径ヘルニア、体幹の変形( 漏斗胸 や側弯)、肘や膝の変形、扁平足などを示すことがあります。軽度の知的障害を伴うことがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

有効な治療法は現在のところありません。膀胱憩室による繰り返す尿路感染、関節変形などに対し、 対症的 な治療を行います。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

頻回の尿路感染症、関節の障害・筋力低下などにより、徐々に日常生活に介護を必要とする場合があるとされていますが、その割合や程度などは分かっていません。主な症状と頻度は以下のとおりです。
皮膚過伸展症状(96%)、ソケイヘルニア(63%)、後頭骨に角様変化(96%)、間接過伸展(62%)、骨折(10%)、知能の遅れ(52%)、痙攣(20%)、筋力低下(40%)

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

膀胱憩室がある場合には、尿路感染を悪化させないように、症状が現れたら早目に対処する必要があります。関節変形と筋力低下のために転倒しやすい可能性がありますので、注意が必要です。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

ATP7A遺伝子異常症
X染色体劣性遺伝性皮膚弛緩症

11. この病気に関する資料・関連リンク

メンケス病・オクチピタルホーン症侯群
平成22年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)
「Menkes病・occipital horn症侯群の実態調査」
http://www.pediatric-world.com/menkes/index.html

 

情報提供者
研究班名 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症における生涯にわたる診療体制の整備に関する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年3月