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アイザックス症候群(指定難病119)

あいざっくすしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1.「アイザックス症候群」とはどのような病気ですか

持続性の手足や体幹の筋けいれん(筋肉のつり)、ミオキミア(波打つ様な筋の動き)を特徴とする病気です。またニューロミオトニア(手指や足趾の開排制限:グーを握った後になかなかパーが出来ない)を伴います。そのほかに、著明な発汗、手足の焼け付く様な痛みや異常感覚を伴うこともあります。

2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

正確な数は不明ですが、国内の調査では患者数は100名~数100名前後と推測されています。

3.この病気はどのような人に多いのですか

なりやすい体質のようなものはありません。ただし胸腺腫をお持ちの方や重症筋無力症の方に合併しやすい傾向があります。

4.この病気の原因は分かっているのですか

原因はまだ不明ですが、電位依存性カリウムチャネル(VGKC)に対する自己抗体など、自己免疫的な機序で、末梢神経の過剰興奮によって症状が引き起こされると考えられています。

5.この病気は遺伝するのですか

基本的には遺伝しません。

6.この病気ではどのような症状がおきますか

有痛性の筋けいれん、ニューロミオトニアが主な症状ですべての患者さんに認められます。筋けいれんは睡眠中にも起こり、運動をした後や、寒冷曝露などで悪化します。持続性の筋けいれんにより筋肉の肥大をきたすこともあります。 そのほか、発汗過多、下痢や便秘などの消化器症状、皮膚の色調変化、原因不明の高体温などの自律神経症状を30~50%の患者さんで伴います。手足の激しい痛みや異常感覚を伴うこともまれではありません。

7.この病気にはどのような治療法がありますか

根本的な治療法はなく、筋けいれんの管理が主になります。日常生活にさほどの影響がない軽症の場合は、末梢神経の過剰興奮を抑制する抗てんかん薬の内服を行います。抗てんかん薬が無効な場合や、激しい有痛性筋けいれんなどにより日常性生活に重大な支障がある場合は、副腎皮質刺激ホルモンの注射や血液浄化療法による治療などがあります。免疫グロブリン大量療法については、有効例と悪化例が報告されているので注意が必要です。

8.この病気はどういう経過をたどるのですか

症状の重症度によって個人差があります。

9.この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

症状に応じた対応が必要ですが、一般的なこととして、免疫治療を受けている場合は感染の予防は重要です。

10.この病気の類縁の病気はありますか

非常に稀ですが、アイザックス症候群の症状に加えて、不眠、記憶障害、幻覚などの中枢神経症状を伴うモルヴァン症候群があります。アイザックス症候群の最重症型としてとらえられ、約半数例で胸腺腫や肺がんなどを合併していて、腫瘍に対する治療が必要となります。 また2~3ヵ月の経過で進行する記憶障害、片側の顔面と上肢に限局した特徴的な不随意運動を呈する脳炎(抗VGKC複合体抗体関連脳炎あるいは抗LGI-1抗体関連脳炎)があり、アイザックス症候群を引き起こす自己抗体類縁の抗体による自己免疫的機序が想定されています。こちらの場合は、副腎皮質ホルモンへの反応は良好と考えられています。


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情報提供者
研究班名 神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証
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新規掲載日平成29年8月8日