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グルタル酸血症1型(指定難病249)

ぐるたるさんけっしょう1がた

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「グルタル酸血症1型」とはどのような病気ですか

タンパク質が消化されるとアミノ酸になります。アミノ酸は私たちの体を構成する大事な成分で様々なものがありますが、この病気ではリジンやヒドロキシリジン、トリプトファンというアミノ酸を代謝する途中の経路が障害されます。するとグルタル酸や3-ヒドロキシグルタル酸といった異常な代謝産物が増加して、特に中枢神経を障害します。生まれたときは元気ですが、治療をせずに放っておくと、風邪や胃腸炎などの感染や予防接種を契機に突然意識障害などの急性脳症のような症状をおこしたり、発達が遅れたりします。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

日本での頻度は出生児28万人に1人程度と稀な病気ですが、海外には300人に1人以上と非常に頻度の高い地域もあります。

3. この病気はどのような人に多いのですか

この病気は特定の生活習慣が関わっているわけではありません。原因は遺伝子の異常で、その遺伝子異常は家族から受け継がれる場合(遺伝)と突然変異による場合があります。男女差もありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

リジンなどの代謝経路で働くグルタリルCoA脱水素酵素が、遺伝子の異常で働かなくなることが原因です。そのために異常な物質が増えることはわかっていますが、これがどのように神経を障害するのか、という病態はまだほとんどわかっていません。

5. この病気は遺伝するのですか

前述したように、遺伝子異常は家族から受け継がれる場合(遺伝)と突然変異による場合があります。グルタル酸血症1型は常染色体劣性遺伝といって、病気の遺伝子が2つそろったときにはじめて病気になります。遺伝の場合、両親はこの病気の遺伝子を1つだけ持っていますが、もう1つの遺伝子は正常なので健康です。この両親から患者が生まれる確率は25%ですが、あくまでも確率ですので偶然患者が続くこともあります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

グルタル酸血症1型の患者では、生後から頭囲が大きい場合があります。また、通常生後3か月以降の発熱をきっかけに嘔吐が出現し、意識が悪くなったり、急激に筋緊張が弱くなって、首がすわっていたのに支えが必要になったり、歩いていたのが歩けなくなったり(退行といいます)、けいれんや手足を突っ張るようになったりします。いったんは少しずつ改善しますが、同様の発作を繰り返しながら徐々に悪化することが多いです。
また、発達の遅れなどで気づかれることもあります。 

7. この病気にはどのような治療法がありますか

異常代謝産物がたまらないよう、リジンやトリプトファンを除去したミルク(タンパク除去ミルク)を母乳や普通ミルクと一緒に飲んだり(タンパク制限)、体にたまった異常代謝産物を減らすためにカルニチンなどの薬剤を内服したりしますが、いったん発症してしまうと有効な治療法はありません。このため、新生児マススクリーニングで発症する前に病気かどうかを早期に診断して、症状のない時からタンパク制限や薬剤投与を行って発症を予防しようという方法が行われています。また発熱時など、発症しやすい状況での対応を知っておくことも必要です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

いったん発症すると発作を繰り返しながら進行し、寝たきりになる場合もあります。誤嚥を起こす場合もあり、胃瘻造設や気管切開が必要になることもあります。新生児マススクリーニングで発症前に診断された患者では、これまでのところ早期に治療を開始し、順調な発育・発達をされています。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

タンパク除去ミルクだけでは必須アミノ酸が不足するので、必ず母乳や普通ミルクと一緒に使用します。内服なども勝手に中断してはいけません。
発熱や嘔吐などの症状があるときは発症したり、状態が悪化することがあるので、早めに病院を受診しましょう。輸液や解熱剤の使用などの対応が必要になります。

10. この病気に関する資料・関連リンク

先天代謝異常学会:グルタル酸血症1型診療ガイドライン
http://jsimd.net/pdf/guideline/14_jsimd-Guideline_draft.pdf
 
小児慢性特定疾病情報センター:グルタル酸血症1型概要
http://www.shouman.jp/details/8_2_33.html


治験情報の検索:国立保健医療科学院
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情報提供者
研究班名 先天代謝異常症の生涯にわたる診療支援を目指したガイドラインの作成・改訂および診療体制の整備に向けた調査研究班
研究班名簿   
新規掲載日平成27年11月25日