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ウォルフラム症候群(指定難病233)

うぉるふらむしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「ウォルフラム症候群」とはどのような病気ですか

ウォルフラム症候群は主として小児期に発症する糖尿病と視神経萎縮(視力障害)を主要な徴候とする遺伝性疾患です。糖尿病、視神経萎縮に加えて、尿崩症(尿の量が多くなる)、感音性難聴、尿路異常(水腎症、尿管の拡大)、多彩な精神・神経症状(抑うつ、双極性障害(躁状態、うつ状態を繰り返す)、脳幹・小脳の異常による歩行・運動障害、けいれん、など)を合併します。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

日本には約200人の患者さんがいると推定されています。頻度は71万人に1人(100万人に1.415人)の割合です。

3. この病気はどのような人に多いのですか

この病気は遺伝病で、常染色体劣性遺伝という遺伝形式を取ります。従って両親が遺伝学的に近い(血族結婚など)場合に子供がなりやすいと考えられます。

4. この病気の原因はわかっているのですか

ウォルフラム症候群の患者さんの60-70%でWFS1遺伝子の異常が見つかっています。この遺伝子は細胞内の小胞体というところに主に存在する蛋白質をコードしており、その機能の維持に重要であると考えられています。

5. この病気は遺伝するのですか

基本的に遺伝性の病気です。患者さんの両親は一組、2つの遺伝子のうちの1つ異常な遺伝子を持っていますが特に症状はありません。その異常な遺伝子のうち、両親のいずれかから、どちらか1つだけが子供に遺伝した場合には症状は出ませんが、両親からともにひとつずつ、異常な遺伝子を引き継いだ場合に発症します(常染色体劣性遺伝)。両親が異常な遺伝子を持たないにも関わらず、子供の遺伝子に突然変異が起こって発症してしまうこともあります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

典型的には10 歳前後に発症する糖尿病(インスリン治療が必要)が初発症状となります。その後、やや遅れて視神経萎縮による視力障害を来します。糖尿病と視神経萎縮の合併によりウォルフラム症候群の診断がなされます。その他、中枢性尿崩症(尿の量が多くなる)、聴力障害(感音性難聴)や尿路異常(水腎症、尿管の拡大)、神経症状(脳幹・小脳の障害による歩行・運動障害、けいれんなど)、精神症状(抑うつ、双極性障害(うつ状態と躁状態の繰り返し)など)を様々な組み合わせで合併し、これらの症候に伴う多彩な症状を呈します。
症候は一般に進行性ですが、症例あるいは病期により、一部の症候のみを呈する場合があります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

ウォルフラム症候群に対する根本的な治療法は確立されていません。糖尿病に対してはインスリン注射、尿崩症に対しては抗利尿ホルモンの投与が行われています。その他、視力低下や難聴に対しては拡大鏡や補聴器の使用等、対症療法や支持療法が行われます。失明や重度の聴力障害に至ることもまれでないため、それに備えた学習(点字、手話など)も必要です。運動障害に対しては、リハビリテーションによる機能維持を図ります。排尿障害などに対しては、泌尿器科的な支持療法が行われます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

一般に進行性のため、早期に治療を開始し、病期に応じた適切な医療・介護の介入が必要になります。
視神経萎縮が進行し、失明する事があります。脳幹部や小脳の障害のために歩行障害や運動障害、嚥下障害などを来すことがあります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

それぞれの病期に応じた対応が必要になります。重要な事は一つ一つの治療を中断しない事です。特に糖尿病については、自身のインスリン分泌が著しく低下するため、インスリン注射を中断するとケトアシドーシスというたいへんな重篤な状態になることがあります。必ず定期的に病院を受診するようにしましょう。視力障害、聴力障害や運動障害が進行すると日常生活の不便が大きくなるので、自宅等の生活環境を整えたり、福祉・介護の担当者との連携を密にすることが必要です。

10. この病気に関する資料・関連リンク

厚生労働省難治性疾患克服研究事業「Wolfram症候群の実態調査に基づく早期診断法の確立と治療指針作成のための研究」斑 平成22年度~23年度総合研究報告書
 
「Wolfram症候群の実態調査に基づく早期診断法の確立と治療指針作成のための研究」班
http://sannaika.med.yamaguchi-u.ac.jp/wolfram/index.html
 
厚生労働省 平成27年7月1日施行の指定難病(新規)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000085261.html
 
海外のサイト
http://www.euro-wabb.org/en/


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情報提供者
研究班名 ホルモン受容機構異常に関する調査研究班  
新規掲載日平成27年11月9日