タナトフォリック骨異形成症(指定難病275)

たなとふぉりっくこついけいせいしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

出生後の呼吸管理の必要性と時期はいかがでしょうか。

酸素投与を含めて、何らかの補助呼吸が必要です。成長にともなって、呼吸障害は強くなりますので、どこかのタイミングで気管切開による人工呼吸が必要になります。タイミングが遅れると低酸素により脳に不可逆的な障害を来しますので、早めの実施が望ましいと考えます。

精神運動発達はどの程度でしょうか。

発語や会話はほぼ不可能で、対人の認知もできないと思われます。刺激に対する反応はあり、感情の発露はみられ、快・不快の感覚やその発露は認められます。運動は寝返りを打つことができるかどうか、這っての移動が多少できるかどうかという状態です。

子どもがこの病気だった場合に、次の妊娠で胎児が再度同じ病気になる可能性は高いですか。

遺伝子の変化が原因で起こる病気ですが、健常なご夫婦はその遺伝子の変化を持っておらず、病気の子どもさんで突発的に起こる遺伝子の変化が原因です。そのため子どもさんがこの病気であっても、その次の妊娠で胎児が同じ病気になる可能性は非常に低いと考えられます。極めて例外的にご夫婦の卵子や精子にのみ遺伝子変化を持った細胞が存在して(性腺モザイク)、次の子どもさんに再発することも理論上はあり得ますが、これまでにはっきりしたこのような患者さんは報告されていません。概ね再発確率は一般頻度の2~5万分の一程度とほぼ変わらないと考えます

診断検査方法はどのようなものがありますか。

通常は単純X線検査で診断されますが、それだけでは診断がはっきりしない場合などは、遺伝子検査も実施できます。

妊娠中に胎児がこの病気かどうかの診断はできますか。

超音波検査や胎児CT検査により診断できることはありますが、確実にこの病気かどうかは出生後の単純X線検査や遺伝子検査が必要になります。

 

情報提供者
研究班名 先天性骨系統疾患の医療水準と患者QOLの向上を目的とした研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和5年6月)