ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)(指定難病291)

ひるしゅすぷるんぐびょう(ぜんけっちょうがたまたはしょうちょうがた)
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

小児慢性特定疾病に関してはどのようになっていますか?

平成27年1月からの医療費助成の制度改正により、本症は小児慢性特定疾病としても認定され、18歳までの医療費補助を受けることが可能となっています。

難病指定に関してはどのようになっていますか?

平成27年1月からの医療費助成の制度改正により指定難病となりました。ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)と診断された場合には難病として医療補助を受けることが可能となっています。また経静脈栄養や経管栄養管理を必要とする症例は重症度分類で重症となります。

障害者認定に関してはどのようになっていますか?

ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)に関してはぼうこう又は直腸機能障害もしくは小腸機能障害において認定の対象となります。
現在障害者認定を受けている方の正確な人数は不明です。

どこに人工肛門を作るのがいいのでしょうか?

手術の所見や術中病理生検の結果で、神経節細胞の存在する腸管に人工肛門を作成します。しかし手術中の所見や術中の病理診断は、その後に得られる病理標本の診断とは必ずしも一致しないこともあり、その場合には再度人工肛門を作りなおす必要があります。

人工肛門は将来閉鎖できますか?

残存して機能する腸管の長さに依存します。神経節細胞の存在する腸管を肛門に吻合することができれば人工肛門の閉鎖が可能となります。しかしながらヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)の患者さんは大腸をすべて切除するため、根治術後は水様下痢便となり排便管理が必要となります。排便管理に難渋する場合は再度人工肛門をつくることもあります。

静脈栄養はいらなくなりますか?

残存して機能する腸管の栄養や水分の吸収能力に依存します。大腸を含めて広範囲の腸管を切除するため、手術後には一定期間は栄養や水分・電解質の補充のため静脈栄養を必要とします。
無神経節腸管の範囲が長いほど、静脈栄養の期間も長くなります。無神経節の腸管がより広範囲に及ぶ場合(トライツ靭帯から75cm以内)には在宅での静脈栄養管理が必要となる可能性が高くなります。

生命予後はどのくらいですか?

2008-2012年の全国調査では全結腸型の死亡率は4.2%, 小腸型が25%でした。
ただし、無神経節の腸管がより広範囲に及ぶ場合(トライツ靭帯から75cm以内)には36.4%となっています。

 

情報提供者
研究班名 希少難治性消化器疾患の長期的QOL向上と小児期からのシームレスな医療体制構築班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年3月(名簿更新:令和5年6月)