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ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを除く)(指定難病234)

ぺるおきしそーむびょう(ふくじんはくしつじすとろふぃーをのぞく。)

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. ペルオキシソーム病とは

ペルオキシソームは細胞内にある直径0.1~1.5ミクロンの球形の細胞内小器官です。ペルオキシソームには様々な酵素タンパクが含まれ、活発な代謝を行っています。またペルオキシソームが正常に形成されて、機能するにも多くの種類のタンパク(Pexタンパク)が必要です。ペルオキシソーム病にはそのPEX遺伝子の異常によりペルオキシソームの機能が全般に障害されるペルキオシソーム形成異常症と、ペルキオシソーム内に存在する個々のタンパク自身を作る遺伝子の異常症に分けられます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

ペルオキシソーム形成異常症はこれまで国内で60人以上が診断されていて、恐らく数十万人に1人程度と考えられています。また、副腎白質ジストロフィーを除く他のペルオキシソーム病の中では、β酸化系酵素欠損症が10数人、原発性高シュウ酸尿症1型やアカタラセミア(高原氏病)も日本人症例が報告されていますが、実態は不明です。一方、レフサム病は北欧や英国に多く、日本人症例の報告はこれまでありません。

3. この病気はどのような人に多いのですか

特定の生活習慣などで発病することはありません。原因は遺伝子の異常で、副腎白質ジストロフィーを除くペルオキシソーム病は常染色体劣性遺伝形式をとっており、対立する遺伝子の両方に異常がある場合に25%の罹患率で子供に発症します。片方の遺伝子に異常がある場合は保因者と呼ばれ、通常は発症しません。それ以外には突然変異による場合もあり、「患者の両親は必ず保因者である」とは限らない場合もあります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

ペルオキシソーム形成異常症はペルオキシソームタンパクの局在や形成にかかわる13種類のPEX遺伝子のどれか1つでも機能しないと、ペルオキシソーム全般の代謝機能が低下して発症します。その重症度は遺伝子の変異の種類に規定される傾向にあります。副腎白質ジストロフィーを除く他のペルオキシソーム病では遺伝子の異常により、その遺伝子により作られたタンパクが正常に機能せず、そのタンパクが働いている代謝経路に支障をきたして、代謝産物が過剰に蓄積したり、不足したりして病気が発症します。しかし中には原因となる遺伝子は発見されたものの、その病態が充分に解明されていない疾患も存在しています。

5. この病気は遺伝するのですか

前述したように遺伝子異常は家族から受け継がれる場合(遺伝)と突然変異による場合があります。副腎白質ジストロフィーを除くペルオキシソーム病では常染色体劣性遺伝なので、両親は病気の遺伝子を片方のみに持っていますが、一般に健康です。そのようなカップルから患者が生まれる確率は25%です。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

ペルオキシソーム形成異常症のうち、最重症のツェルウェガー症候群では特徴的な顔つき(額が広い、両眼が離れている、鼻が低い、顎が小さい)、筋力が弱い、乳を飲まない、発達の遅れ、痙攣、肝腫大などを呈し、多くは乳児期に亡くなられます。重症の新生児型副腎白質ジストロフィーでも生下時より症状を認めますが、その程度は軽く、経過とともに難治性の痙攣や症状が進行し、多くは幼児期に亡くなられます。一方、乳児型レフサム病では、乳児期までは比較的正常で、それ以降に発達の遅れや視力、聴力の異常に気づかれますが、多くは成人以降も生存します。また根性点状軟骨異形成症では点状石灰化を伴う近位優位の四肢短縮に顔貌異常、精神運動発達遅滞、白内障などを呈します。
β酸化系酵素欠損症ではD-二頭酵素欠損症では重症のツェルウェガー症候群や新生児型副腎白質ジストロフィー、アシル‐CoAオキシダーゼ欠損症では軽症の乳児型レフサム病類似の症状を呈します。
レフサム病では夜盲症や筋力低下、失調性歩行、難聴などの症状を、原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型では反復性の尿路結石の症状、アカタラセミアでは歯肉部に発症する口腔壊疽を特徴とします。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

ペルオキシソーム形成異常症やβ酸化系酵素欠損症では、確立した治療法はありませんが、軽症の乳児型レフサム病ではフィタン酸やシュウ酸の蓄積など個々の代謝異常への対応や、少数ですが肝移植の報告もあります。またレフサム病では厳格なフィタン酸制限の食事療法、原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型ではシュウ酸結石の抑制から肝移植や腎移植、アカタラセミアでは口腔内の衛生管理などが挙げられます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

前述したようにペルオキシソーム形成異常症のうちのツェルウェガー症候群や新生児型副腎白質ジストロフィー、根性点状軟骨異形成症、β酸化系酵素欠損症のD-二頭酵素欠損症やアシル‐CoAオキシダーゼ欠損症では多くは乳幼児期に亡くなります。一方、乳児型レフサム病では1歳過ぎまでは比較的、正常に発達を認めた後に発症しますが、多くは成人まで生存します。レフサム病や原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型、アカタラセミアは出来るだけ早期に診断して早期に対応することにより症状の進行を軽減する可能性があります。


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情報提供者
研究班名 ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究班
研究班名簿  研究班ホームページ 
情報更新日 平成27年9月4日