難治頻回部分発作重積型急性脳炎(指定難病153)

なんちひんかいぶぶんほっさじゅうせきがたきゅうせいのうえん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

この病気の原因は何ですか。

原因はまだ完全にはわかっていませんが、発熱や感染をきっかけに体の免疫システムが過剰に反応して脳に炎症を起こすことが関係していると考えられています。これを神経炎症と呼び、血液や脳脊髄液でIL-6などのサイトカイン(炎症を引き起こす物質)が増加することがわかっています。

これまで言われていた脳炎脳症と、どこが異なるのですか。

一般的な脳炎・脳症とは異なり、通常の抗てんかん薬や鎮静薬が効きにくく、治療に時間がかかるのが特徴です。発作を抑えるために多くの場合鎮静薬が使われますが、近年では長期の深い鎮静を避け、できるだけ早期に免疫療法やケトン食療法を行うことが勧められています。

発作症状はいつなくなるのですか。

急性期を過ぎてもてんかん発作が持続することが多いです。ただし発作の頻度が減ったり、薬である程度コントロールできるようになる方もいます。

同じ病気の人や家族の話を聞きたいのですが。

日本ではこの病気に特化した支援団体はありませんが、海外ではNORSE instituteが患者さんや家族向けに支援を行っており、体験談や情報交換も可能です。
(ホームページ(英語)https://www.norseinstitute.org

子どもと大人では違いがありますか?

はい。小児では発熱や感染をきっかけに発症するFIRESが多く、成人では発熱を伴わないNORSEがみられることもあります。どちらも治療の基本は同じですが、年齢により発作の型や回復の経過に違いがあります。

再発することはありますか?

同じような重い発作が再び起こることはまれですが、慢性的なてんかん発作が残る場合があります。薬を続けて飲み、発熱や睡眠不足を避けることが大切です。

どんな検査で診断されますか?

血液検査、脳脊髄液検査、MRI、脳波などを組み合わせて診断します。感染や自己免疫性脳炎を除外するための検査も行われます。

どんな治療が行われますか?

発作を止めるための抗てんかん薬や鎮静薬に加え、免疫療法(ステロイド、免疫グロブリン、血漿交換)を早期に行います。反応が乏しい場合はケトン食療法も検討されます。

この病気は遺伝しますか?

遺伝的に親から子に伝わる病気ではありません。家族内で複数例が発症することは非常にまれです。

学校や仕事に戻ることはできますか?

回復の程度により異なりますが、リハビリや支援を受けながら学校や職場に復帰する方もいます。記憶力や集中力の問題が残る場合があるため、医師や学校・職場と連携して環境を整えることが大切です。

 

情報提供者
研究班名 小児急性脳症の診療向上・ガイドライン策定に向けた体制整備班
研究班名簿 
情報更新日 令和7年12月(名簿更新:令和7年6月)