難治頻回部分発作重積型急性脳炎(指定難病153)

なんちひんかいぶぶんほっさじゅうせきがたきゅうせいのうえん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「難治頻回部分発作重積型急性脳炎」とはどのような病気ですか

何らかの発熱に随伴して、数日後から、身体の一部分、あるいは全身に広がるけいれん発作、意識が遠のく発作が、繰り返して起こる病気です。この発作症状は、色々なお薬を使用しても抑えることが難しく、繰り返して起こります。また、この症状は何年も持続します。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

年間発症率は約100万人に1人と推定されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

あらゆる年齢で起こりますが、小児では幼児期から学童期までにピークがあります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

今までのところ明らかにされていませんが、何らかの免疫機構の異常が予想されています。

5. この病気は遺伝するのですか

病気の原因となる遺伝学的異常は同定されておらず、遺伝性疾患ではないと考えられています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

発熱に伴うけいれん発作で始まり、その頻度は徐々に増加していきます。眼が片方に寄ったり、顔面のけいれんが起こったりする発作が、数分から十数分間隔で反復して出現します。
1~2週間で発作の頻度はピークを迎えますが、その後も消失することなく持続します。高い確率で知的障害を遺し、重症例では強い運動麻痺も合併します。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

起きている発作に対し、抗けいれん剤を用いて治療を行ないますが、なかなか抑えることが出来ず、治療に難渋することが多くあります。抗サイトカイン療法などの免疫療法が有効であったという報告があります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

発作症状は色々な治療にも拘わらず続き、また、知的障害を合併することから、大きな障害を遺します。長期的な経過は、はっきりとはわかっていません。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

病気によって起こった後遺症、また、残存する発作症状、頻度により異なります。特に、てんかん発作は繰り返し起こりますので、薬物治療の継続が必要です。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

Febrile infection related epilepsy syndrome (FIRES)
New-onset refractory status epilepticus (NORSE) 症候群

11. この病気に関する資料・関連リンク

小児急性脳症研究班 ホームページ
 https://encephalopathy.jp

 

情報提供者
研究班名 小児急性脳症の早期診断・最適治療・ガイドライン策定に向けた体制整備班
研究班名簿 
情報更新日 令和5年10月(名簿更新:令和5年6月)