メニュー


HOME >> 病気の解説(一般利用者向け) >> スティーヴンス・ジョンソン症候群(指定難病38)

スティーヴンス・ジョンソン症候群(指定難病38)

すてぃーぶんす じょんそん しょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「スティーヴンス・ジョンソン症候群」とはどのような病気ですか

スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)は皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、口唇・口腔、眼、鼻、外陰部などの粘膜にびらん(ただれ)が生じ、全身の皮膚に紅斑(赤い斑点)、水疱(水ぶくれ)、びらんなどが多発する病気です。発熱や全身倦怠感などの全身症状も出現します。スティーヴンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症は重症多形滲出性紅斑といわれる同じ疾患群に含まれ、びらんや水疱など皮膚の剥がれた面積が全体表面積の10%未満の場合をスティーヴンス・ジョンソン症候群と呼んでいます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

重症多形滲出性紅斑全体で、年間人口100万人当たり1~10人程度発症すると推定されています。厚生労働省研究班の調査によれば、スティーヴンス・ジョンソン症候群は人口100万人当たり年間に発症する頻度は約3.1人と云われています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

小児~高齢者まで幅広い年齢層に、男女を問わず生じます。

4. この病気の原因はわかっているのですか

原因は詳しくはわかっていませんが、感染症や薬剤などがきっかけとなり、主として皮膚や粘膜に病変が起こると推測されています。感染症としてはマイコプラズマ感染症やウイルス感染症が契機になることがあります。また、薬剤として多いのは消炎鎮痛薬(痛み止め、熱冷まし)、抗菌薬(化膿止め)、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などです。また、総合感冒薬(風邪薬)のような市販薬も原因になることがあります。

5. この病気は遺伝するのですか

この病気自体は遺伝しませんが、近年、ある特定の薬剤により起こる病気は、特定の遺伝的な素因(体質)を持っている人に発症しやすいことが明らかになってきています。

遺伝的素因 + ある特定の薬剤

スティーヴンス・ジョンソン症候群発症の可能性

6. この病気ではどのような症状がおきますか

高熱・のどの痛み・全身倦怠感などとともに皮膚や粘膜に病変が出現します。皮膚では全身に大小さまざまな紅斑、水疱、びらんが多発します。水疱はすぐに破れてびらんになります。口唇・口腔粘膜、鼻粘膜には発赤、びらんが出現し、疼痛が生じます。眼では結膜の充血、眼脂(めやに)などが出てきます。尿道や肛門周囲にもびらんが生じて出血をきたすことがあります。進行がはやく症状は急激に拡大します。時に上気道粘膜や消化管粘膜を侵し、呼吸器症状、消化管症状を生じることがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

入院して治療を受ける必要があります。皮膚や粘膜の症状に加えて肝臓や腎臓などの様々な臓器にも障害が起こるので、この状態も考慮しながら、副腎皮質ステロイド薬を中心に治療します。短期間に大量の副腎皮質ステロイド薬を点滴で投与する治療(ステロイドパルス療法)が行われることもあります。免疫グロブリン製剤を大量に投与することや血漿を入れ換えるような血漿交換療法を併用して治療することがあります。経過中に細菌感染症や多臓器の障害がしばしば起こるので、採血など頻回に行って治療を進めます。

主な治療法
・副腎皮質ステロイド療法
・ステロイドパルス療法
・免疫グロブリン製剤大量静注療法
・血漿交換療法

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

多くの場合は適切な治療により回復しますが、敗血症多臓器不全などにより死亡する場合もあります。皮膚や粘膜の病変の範囲が広い場合、高齢者、糖尿病や腎疾患が基礎にある場合は死亡率が上昇します。また、皮膚が治癒したあとも呼吸器の病変が長引くと閉塞性細気管支炎という後遺症を残すこともあります。眼が侵された場合にはまぶたと球結膜の癒着、角膜の潰瘍、視力障害、ドライアイなどの症状が残ることがあります。爪の変形や脱落なども認められます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

何らかの薬を飲んでいて38℃以上の高熱、口唇・口腔のびらん、眼の充血、皮膚の広範囲に紅斑が生じた場合には医師・薬剤師に相談する必要があります。
また、薬剤によりスティーヴンス・ジョンソン症候群を発症した場合には、原因となった薬剤の名称を「お薬手帳」に記しておいてください。担当医に記載して頂くのも良い方法です。医療機関を受診する際には、必ず「お薬手帳」を持参し、過去の皮膚や粘膜に出現したエピソードを担当医や薬剤師に伝えて下さい。
ご自身で市販の薬剤を購入される場合にも薬剤師に「お薬手帳」を提示してください。なお、同じ薬剤の成分でも異なる名前で販売されている場合がありますので、ご注意ください。

10. この病気に関する資料・関連リンク

・重症多形滲出性紅斑に関する調査研究 http://takeikouhan.jp/index.html
・日本皮膚科学会ホームページ http://www.dermatol.or.jp
・医薬品医療機器総合機構ホームページ http://www.pmda.go.jp
・眼障害の診療 http://eye.sjs-ten.jp/doctor/


治験情報の検索:国立保健医療科学院
※外部のサイトに飛びます。

情報提供者
研究班名 重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班
研究班名簿  研究班ホームページ 
新規掲載日平成27年2月27日(研究班名簿:平成29年3月10日更新)