メニュー


HOME >> 診断・治療指針(医療従事者向け) >> 網膜色素変性症(指定難病90)

網膜色素変性症(指定難病90)

もうまくしきそへんせいしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

○ 概要
 
1.概要
遺伝子変異が原因で網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性する疾患である。初期には、夜盲と視野狭窄を自覚する。徐々に進行し、老年に至って社会的失明(矯正視力約0.1以下)となる例も多いが、
生涯良好な視力を保つ例もある。進行に個人差が大きい。
視細胞のうち杆体細胞のみの変性を杆体ジストロフィ、杆体細胞と錐体細胞両者の変性を杆体錐体ジストロフィと称する。
 
2.原因
遺伝子変異が原因で網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性すると考えられている。
 
3.症状
両眼性である。進行は緩徐である。
(1)夜盲
(2)視野狭窄
(3)視力低下
後期には色覚異常や光視症、羞明などを自覚する。
 
4.治療法
現時点では治療法が確立されていない。遺伝子治療、人工網膜、網膜再生、視細胞保護治療などについて研究が推進されている。本症に合併する白内障や黄斑浮腫に対しては、通常の治療法が行われている。
 
5.予後
病型により異なるが、全て両眼性進行性で、早いものでは40代に社会的失明状態になる。医学的失明
(光覚なし)に至る割合は高くない。60代でも中心に視野が残り視力良好例もあるが、視野狭窄のため歩
行など視野を要する動作が困難となり生活に支障を来す。白内障など、合併症による視力低下の一部は手術によって視機能が改善する。
 
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成24年度医療受給者証保持者数)
27,158人
2.発病の機構
不明(遺伝子変異が原因と考えられている。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治的治療なし。)
4.長期の療養
必要(徐々に進行)
5.診断基準
あり
6.重症度分類
現行の特定疾患治療研究事業の重症度分類を用いて、II、III、IV度の者を対象とする。
 
○ 情報提供元
「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班」
研究代表者 名古屋市立大学医学部眼科 教授 小椋祐一郎
 
 
 
<診断基準>
 
1.自覚症状
① 夜盲
② 視野狭窄
③ 視力低下
④ 羞明(又は昼盲)
 
2.臨床検査所見
 (1) 眼底所見
  網膜血管狭小
粗造な網膜色調
   骨小体様色素沈着
   多発する白点
視神経萎縮
   黄斑変性
 (2) 網膜電図の異常(減弱型、陰性型、消失型)
(3) 眼底自発蛍光所見で網膜色素上皮萎縮による過蛍光又は低蛍光
 (4) 光干渉断層像で中心窩におけるエリプソイドゾーン(EZ)の異常(不連続又は消失)
 
3.診断のカテゴリー
① 進行性の病変である。
② 自覚症状で、上記のいずれか1つ以上がみられる。
③ 眼底所見で、上記のいずれか2つ以上がみられる。
④ 網膜電図で、上記の所見がみられる。
⑤ 炎症性又は続発性でない。
上記、①~⑤の全てを満たすものを、指定難病としての網膜色素変性症と診断する。
 
<重症度分類>
重症度分類のII、III、IV度の者を対象とする。
I度:矯正視力 0.7以上、かつ視野狭窄なし
II度:矯正視力 0.7以上、視野狭窄あり
III度:矯正視力 0.7未満、0.2以上
IV度:矯正視力 0.2未満
注1:矯正視力、視野ともに、良好な方の眼の測定値を用いる。
注2:視野狭窄ありとは、中心の残存視野がゴールドマンI-4視標で20度以内とする。
 
※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項
1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。
2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。
3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。
 

治験情報の検索:国立保健医療科学院
※外部のサイトに飛びます。

 

情報提供者
研究班名 網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班
研究班名簿   
情報更新日平成29年4月24日