■概念・定義 |
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進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva: FOP)(MIM: 135100)は、小児期から全身の骨格筋や筋膜、腱、靭帯などの線維性組織が進行性に骨化し、このため四肢・体幹の可動性低下や変形を生じる疾患である。先天性の母趾形態異常を伴うという特徴がある。骨系統疾患の国際分類(Warman ML, et al: Am J Med Genet A, 2011)ではDisorganized development of skeletal components group(骨格成分の発生異常グループ)に分類されている。 |
■疫学 |
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有病率は200万人に1人とされている。日本における患者さんの数は不明であるが、研究班の調査では全国の主たる病院でのべ80名以上の患者さんを診療した経験があり、重複を考慮しても60名以上の患者さんがいると考えている。 |
■病因 |
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本疾患は弧発例が多いが、家系例の検索から常染色体優性遺伝形式を取るとされている。2006年にはBMP type Iの受容体であるACVR1(別名ALK2)の遺伝子変異(R206H変異)が報告され(Shore EM, et al: Nat Genet, 2006)、日本人の罹患者でもこの変異が確認されている。近年、指などの臨床症状が典型的FOPと異なる患者などから、新しいALK2変異が発見されており、報告されている変異は10種類以上に上っている。この遺伝子変異が本疾患における進行性異所性骨化をはじめとした表現型にどうつながるかは研究途上にある。 |
■症状 |
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本疾患の主症状である異所性骨化は、乳児期から学童期にかけて初発することが多く、皮下軟部組織に腫脹や腫瘤を生じ、時に熱感や疼痛を伴うことが多い(flare-upと呼ぶ)。これが消退を繰り返しながら骨化が進行し、四肢では隣接する関節の拘縮、強直、体幹では可動性低下や変形につながる。外傷や医療的介入(深部への注射や手術など)が誘因となることもある。骨化は体幹(傍脊柱や項頚部)や肩甲帯、股関節周囲から始まり、徐々に末梢へ進行する傾向がある。従って手指の可動域制限は少ない。胸郭の軟部組織(肋間筋など)や咀嚼に関係する組織にも可動性の低下や骨化を生じ、拘束性呼吸障害、開口障害につながる。平滑筋と心筋には骨化を生じないとされている。 |
■治療 |
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現時点で本疾患に伴う有効な治療法はない。遺伝子治療は行われていない。再生不良性貧血に対して骨髄移植を行った本疾患の患者で、免疫抑制剤の投与期間中のみ異所性骨化の発現が抑制されていたとの報告がある(Kaplan FS, et al: J Bone Joint Surg Am, 2007)。 |
■ケアー |
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早期の正確な診断が重要とされており、診断されればflare-upを予防するために外傷を避けることを心掛ける。しかしどの程度まで運動や活動を制限するべきかはまだ分かっていない。骨化が進行した場合、移動に関しては適切な援助や杖・車椅子などの処方が必要となる。また胸郭の可動性低下や変形による呼吸障害、開口制限による栄養摂取等についても援助が必要である。 |
■食事・栄養 |
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食事や栄養と疾患の進行とは直接関係がない。しかし開口制限を生じた場合には、適切な栄養摂取ができるように工夫が必要となることがある。胃瘻造設を行った例があるが、これに伴う異所性骨化のリスクは不明である。また、歯科治療に伴い顎関節の可動性が低下したり、また開口制限のある状態では歯科治療が困難になったりすることもあり、齲歯の発生を避けるような食事と、歯の衛生管理が重要である。 |
■予後 |
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運動機能、ADL動作は進行性に低下する。呼吸障害と栄養障害が生命予後に関与するとされているが、50歳代~70歳代の生存者も確認されている。 |
この疾患に関する関連リンク |
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進行性骨化性線維異形成症(FOP)
しんこうせいこつかせいせんいいけいせいしょう
| 研究班名 | 骨・関節系疾患調査研究班(脊柱靭帯骨化症) |
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| 情報更新日 | 平成23年8月12日 |





