特発性多中心性キャッスルマン病(指定難病331)

とくはつせいたちゅうしんせいきゃっするまんびょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

まれな病気の様ですがどの病院でも診断、治療ができますか。

キャッスルマン病&TAFRO症候群患者白書2020によると、診断確定までに要した期間は短くなっていますが、症状が非特異的なため、どの病院でもすぐに診断がつかないかもしれません。そのため厚生労働省研究班では全国を8ブロックに分け、13ヶ所のキャッスルマン病・TAFRO症候群の地域中核病院を定めています。これら地域中核病院を中心に、また、長期の通院が必要の場合は、近隣の病院に紹介してもらう事もできます。
キャッスルマン病・TAFRO症候群の地域中核病院の所在地及び連絡先電話番号

多中心性キャッスルマン病は治らないのでしょうか。

トシリズマブはとても有効なことが多く、ごく少数の方では、治療を中断しても再燃せず、治ったのでは?と思われる患者さんも存在します。しかし通常は治療で改善しても治癒する事は難しく、症状のコントロールが目的になります。トシリズマブも、原則的に中止すべきではなく、膠原病や関節リウマチなどと同様です。

治療費は高額になるのでしょうか。

治療や検査で違いますが、トシリズマブの定期投与の薬剤費はやや高額となります。このため2018年より厚生労働省指定難病となり、公的支援の対象になっています。申請の方法などについては厚生労働省ホームページをご覧下さい。また、この点は、担当医とご相談下さい。

キャッスルマン病の患者会はありますか。

2015年に日本でキャッスルマン病患者会が設立され、定期的に会合や医療講演会を開いています。ホームページのアドレスを記載しておきます。
キャッスルマン病患者会ホームページ
https://www.eonet.ne.jp/~castleman/index.html

TAFRO症候群と診断されましたが、多中心性キャッスルマン病とは違う病気なのでしょうか?

TAFRO症候(Thrombocytopenia血小板減少, Anasarca全身性浮腫, Fever発熱, Reticulin fibrosis or Renal dysfunction細網線維増生もしくは腎機能障害, Organomegaly臓器腫大)を伴うTAFRO型の特発性多中心性キャッスルマン病の患者さんもおられますが、特発性多中心性キャッスルマン病を伴わない患者さんを一般的にはTAFRO症候群と診断します。TAFRO症候群は胸腹水や腎不全などが急速に進む病気です。慢性に進むことが多い特発性多中心性キャッスルマン病とは進行速度や症状が違いますが、治療法など共通した部分も多く、同じ病気の別の種類なのか、違う病気なのか研究が進んでいます。

 

情報提供者
研究班名 キャッスルマン病、TAFRO症候群、類縁疾患の診療ガイドラインの策定や更なる改良に向けた国際的な総意形成を踏まえた調査研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和7年10月(名簿更新:令和7年6月)