骨形成不全症(指定難病274)

こつけいせいふぜんしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「骨形成不全症」とはどのような病気ですか

骨形成不全症とは、骨がもろく弱いことから、骨折しやすくなり、骨の変形を来す生まれつきの病気です。目の強膜が青くなったり、難聴がみられたりすることもあります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

2万人に1人くらいの割合で生まれるとされ、推定では、6000人程度の患者さんがおられると考えられます。

3. この病気はどのような人に多いのですか

親のどちらかが同じ病気で、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示している患者さんもおられます。家族に同じ病気の患者さんがおられない場合もあります。重症な患者さんでは、両親の遺伝子の変異を1つずつ受け継いで発症している常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の場合もあります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

骨形成不全症の90%の患者さんで、結合組織の主要な成分であるⅠ型コラーゲンの遺伝子変異(COL1A1,COL1A2)が原因となります。Ⅰ型コラーゲン遺伝子に変異を認めない患者さんに、種々の遺伝子変異が発見されてきています。

5. この病気は遺伝するのですか

親のどちらかが同じ病気で、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示している患者さんもおられます。重症な患者さんでは、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の場合もあります。両親のどちらにも病気がないときに、その子どもが病気になる場合もあります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

骨折のしやすさ、骨の変形などの骨の弱さに加え、成長障害、目の強膜が青い、歯の形成が不十分、難聴、関節皮膚が伸びやすいなどがみられます。さらに、背骨の変形による呼吸の障害、心臓の弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全などが引き起こされることがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

内科的治療と外科的治療に大きく分けられます。
(1)内科的治療
骨折の危険性の高い患者さんには骨粗鬆症に使用されるビスホスホネート製剤投与が行われます。
(2)外科的治療
骨折した際に外科的な骨接合術、四肢の変形に対して骨切り術、四肢の長い骨の骨折変形予防を目的とした髄内釘挿入術、背骨の変形に対する矯正固定術などが行われることがあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

骨折のみで日常生活に支障がないことが多いです。骨の変形をきたすと様々な程度の運動障害が起こります。難聴がおこることがあります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

骨折のリスクを回避するため、コンタクトスポーツなどを行わない方が良いと思われます。骨痛が気づかないうちに起こってしまった骨折が原因である場合もあるので、医師に相談することが勧められます。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

11. この病気に関する資料・関連リンク

厚生労働科学研究班
https://www.osteochondrodysplasia.com
日本医療研究開発機構(AMED)研究班
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/ped/skeltaldysplasia/
小児慢性特定疾病情報センター 骨形成不全症
https://www.shouman.jp/disease/details/15_02_005/

 

情報提供者
研究班名 先天性骨系統疾患の医療水準と患者QOLの向上を目的とした研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和5年6月)