ネフロン癆(指定難病335)

ねふろんろう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「ネフロン癆」とはどのような病気ですか

腎臓に嚢胞(球状の袋)ができる進行性の腎疾患です。腎臓の尿細管細胞に存在する一次繊毛の構造的、機能的異常が原因とされ、その結果として腎臓の構造や機能障害を引き起こします。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

正確な人数は把握でいていませんが、日本に100-200人程度いると推測されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

小児期から腎不全の治療を要する人が多いです。基本的には若年成人期までに末期腎不全(透析や腎移植が必要になる状態)に至り、その後は長期的に透析や腎移植後の管理を要します。

4. この病気の原因はわかっているのですか

一次繊毛の構造、機能に関係する遺伝子の異常が原因であることがわかっています。原因遺伝子は2021年現在でおよそ25個判明しており、NPHP1という遺伝子の異常が最も多いことがわかっています。しかし、遺伝子に異常が見つからない患者さんも見られます。

5. この病気は遺伝するのですか

主に常染色体劣性遺伝形式をとりますが、孤発(病気が散発的に起こり、家族には遺伝しない)の場合もあります。FAQも参照ください。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

塩分、水分の再吸収を行う尿細管に障害があるため、尿量が多くなり、塩分や水分が多く失われます。そのため、多飲、多尿、昼間の尿失禁や夜尿、成長障害(体重増加不良・低身長)などの症状が現れますが、これらが必ずしも見られるわけではなく、あったとしても気づきにくいことが多いです。加えて,特に尿試験紙法では異常が出にくいため必ずしも検診で発見されるわけではなく、診断が遅れることが稀ではありません。
 腎機能障害が進行すると、腎不全の症状として高血圧や貧血、心不全がおこります。高血圧は症状に出にくいですが、貧血症状として顔色が悪いことや、心不全症状として息切れ、呼吸困難で発見されることが時にあります。
 また、ネフロン癆の患者さんには腎臓以外に病気を伴っている場合があり、その症状から発見される例もあります。頻度としては、神経、目の病気が最も高く、表にその代表的なものを示しています。これらは発見、診断が難しいこの病気において早期発見のきっかけにもなります。

 

最も多い

2番目に多い

神経の症状

発達遅滞

小脳虫部低形成(画像上の異常)

目の症状

網膜色素変性症

眼球運動失調

骨格の症状

四肢短縮

胸郭低形成

肝臓の症状

肝線維症

胆道拡張、肝嚢胞

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の発展」研究班全国調査結果に基づく

7. この病気にはどのような治療法がありますか

現時点では、根本的な治療法はありません。末期腎不全に至る時期をいかに遅らせるかに主眼を置いて、対症療法が行われます。その他、高血圧や貧血などの合併症に対しても薬物療法や食事療法が行われます。また、腎不全による低身長では、成長ホルモンによる治療を行うこともあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

すべての方が若年成人期までに末期腎不全に至ります。末期腎不全に進行した場合は、腎臓の働きを補う腎代替療法を行います。腎代替療法には透析療法(腹膜透析・血液透析)と腎移植(生体腎移植、献腎移植)があります。腎代替療法の適応や選択に関しては、全身の状態、生活環境やライフプランに合わせて、主治医と本人や家族と相談して決めます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

腎臓からの塩分、水分の喪失による症状が見られるため、積極的な塩分の摂取が必要になります。ただし、腎不全の進行によって高血圧や尿量の低下が見られる場合には逆に制限が必要になる場合があります。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

ネフロン癆関連繊毛病、ジュベール症候群、バルデ・ビードル症候群、ジューン症候群、メッケル・グルーバー症候群、センセンブレナー症候群、コーチ症候群、シニア・ローケン症候群、コーガン症候群、有馬症候群、口腔顔面指趾症候群

11. この病気に関する資料・関連リンク

「小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の発展」研究班ウェブサイト
http://pckd.jpn.org/
小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/disease/details/02_07_026/

情報提供者
研究班名 小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の発展班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和3年11月