リンパ脈管筋腫症(LAM)(指定難病89)
りんぱみゃくかんきんしゅしょう(LAM)
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■「生活一般(生活、妊娠・出産、気胸)」に関して |
<生活> |
- 日頃どんなことに気をつけたらいいでしょうか?
- 万一タバコを吸っている場合は禁煙が必要です。担当医から受けている注意点を守り、分からないときは相談すること(受診前にメモをつくっておくなど)が大切です。気胸の可能性をある程度想定したり、急な体調不良があったときの受診先を決めておけると良いでしょう。一般に言われる健康的な生活(適度な運動や睡眠、ストレスをためないこと)も意識できると良いと思います。
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- LAMと診断される前に喫煙の経験があります。LAMの発症と喫煙の関連は示唆されているのでしょうか?LAMの進行に喫煙の影響はあるのでしょうか?
- LAMの発症と喫煙の因果関係を示すデータはありませんが、喫煙そのものに肺を慢性的に障害していく作用があり、健康被害があることはよく知られています。肺の病気の有無にかかわらず、禁煙が望ましいです。
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- LAMと診断されて、なにか注意しなければならないことはありますか?例えば、進行を早めるようなこと、仕事はどうでしょうか?在宅酸素療法、4~5 L/min ですが、仕事があるので続けたいと思います。そういうことでも負担になっているのでしょうか?
- もし、貴方がタバコを吸っていたら、禁煙してください。生理不順でホルモン剤投与を受ける場合、避妊のためにピルを内服する場合は、場合によってはLAMを進行させる可能性があるため、担当医師とよく相談することが必要です。在宅酸素療法をしている方で歯科治療が必要になった 場合には、一般に、 麻酔医がいて呼吸管理ができるような施設でないと局所麻酔を使用しづらいようで、一般の開業歯科医では断らわれることが多いようです。歯科診療もしている 総合病院を進められるようです。酸素療法を行いながら働くことには問題はありませんが、仕事内容、仕事量、等々についてはなんらかの工夫が必要だと思いま す。一般に、低肺機能の患者さんは、過労、ストレス、栄養、などの様々な面で体調を維持するために注意が必要です。担当医と相談して、病気と上手にお付き 合い下さい。
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- 結節性硬化症の疑いがあると言われました。今後、気をつけなければならないことを教えてください。
- 難病情報センターのホームページに結節性硬化症(プリングル病)の説明があります。こちらをご参照ください。
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- 友人で LAM 患者がいます。友人として私のできること、気をつけるべき点、患者さんが周囲の人に望むことを知りたいです。
- 先ずは患者さんの話をゆっくり聞いてあげて下さい。その時はむやみな励ましは逆に負担になったり、真剣に考えてもらっていない、と受け取られる場合もあります。日常生活で息切れがあったり、何らかの合併症に対して治療中であったり、患者さんごとの悩みがあるかもしれません。在宅酸素をしていて外見を気にしたり、乳縻(にゅうび)などで外食できるところが限られている方もいます。その方が抱えている悩みに耳を傾けたり、無理なく協力できそうなことを考えてみるだけでも、患者さんにとって大きな助けになるのではないかと思います。
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- 同じ病気の人や家族の話を聞きたいのですが?
- LAMの患者さんとその家族が中心となって運営されている日本の患者会「J-LAMの会」があります。会のホームページはhttps://j-lam.net/ です。また米国では「LAM Foundation」があり世界中の患者会が協力して手をつなぎつつあります(ホームページはhttps://www.thelamfoundation.org/ )。
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<妊娠・出産> |
- 子供を産むことは可能でしょうか?
- 病気の発症・進展に女性ホルモンが関わっている事が示唆されること、実際に妊娠・出産を契機に病気が進行したとの報告があること、等から、一般的には LAM診断後の妊娠・出産は避けるべきと言われています。平成15~16年に行われた厚生労働省難治性疾患克服研究事業・呼吸不全調査研究班(久保恵嗣班 長)の全国調査では173例のLAM患者さんの情報がまとめられましたが、45%の方はLAM診断時には妊娠・出産を経験されていました。また、LAM診 断後に妊娠・出産を経験し、呼吸機能障害が進行しなかった患者さんも報告されています。従って、LAM診断後の経過、呼吸機能障害の程度や進行の速さ、mTOR阻害薬が必要となりそうな時期や家族計画について、担当医やご家族とよく相談して対応することが必要です。
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- 腹水がある場合、妊娠、出産は可能でしょうか?また、可能である場合は、その際の影響として考えられることは?
- 貯留している乳糜(にゅうび)腹水の量にもよります。MRIやCT検査で初めてわかる程度の貯留では、妊娠や出産に影響はないかもしれません。一般的に言って、妊娠期間中は体液量が非妊娠時の1.5倍くらいに多くなるなどの影響から、乳糜腹水量は多くなるかもしれません。さらに、妊娠によってLAMの進行があるかもしれません。担当医との相談が必要です。
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<気胸> |
- 多くの患者が、「気胸を一度起こすと、その後短期間の間に再発を繰り返す」という経験を していますが、どのようなメカニズムで再発を繰り返すのですか?この現象を止めることに対して研究や工夫がされている、或いはされる予定はありますか?
- 再発のメカニズムは判っておりません。気胸学の展望として、今後の課題だと常日頃学会で提唱しています。メカニズムは判っていませんが起こすときの状況に特徴があります。
(1)身体的、心理的ストレスを感じているときです。たとえば、深夜の仕事や徹夜の勉強などの寝不足状態が続くとき。 (2)休みがなく慢性的な疲労が続いているとき。 (3) 職場での人間関係で悩んだり、仕事上の行き詰まり状態。転勤などで環境が変わったときに起こることが多いです。 (4) 海外旅行に行くと必ず起こすという人もいます。時差の問題と異国というストレスがあるのでしょう。 (5) 夫婦げんかや、彼氏とけんかすると必ず起こすという人も結構多いです。 (6) 他には結婚式が近づくほど起こしたり、離婚調停中に何回も起こすというような例もありました。精神的なストレスだと考えます。 |
- 気胸を起こした経験があります。また、起こすのが恐くて、仕事を辞め、遠出もしていません。だから、勉強会に行きたくても、恐くて参加できません。気胸を起こさない為に注意しなければならないことがありますか?
- 過度な疲労や精神的ストレスを受ける状況がある場合は改善策が必要です。喫煙している場合は禁煙が必要です。しかし、気胸は予測できないものですし、心配するあまり活動範囲が狭まってしまうと、逆に先々の体力を落とすことにつながるかもしれません。いざというときの受診先を決めておく、周囲の人に自分の病状を伝えて協力をお願いする(市役所や福祉窓口で配布されるヘルプマークを利用しても良いかもしれません)、そのうえで気晴らしや適度の運動、適度の仕事にチャレンジしてみることなど、気持ちや体に良い影響を与えそうなことを考えてみて良いと思います。ほかのQ&Aにも記載されていますが、スキューバダイビングは危険があるため行ってはいけません。
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- 肺の病気の人は、なぜ、飛行機内に搭乗するときに注意しなくてはいけないのですか?
- 機内は飛行中には通常、約0.8 気圧くらいになり(標高2,000メートル付近の気圧に相当)、それに伴って酸素濃度も希薄になります。従って、低肺機能の方は、地上よりも呼吸が苦しくなる可能性があります。
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- 外国の患者は、NIHの検査やLAMposiumに参加するときなどに飛行機を利用していると聞きましたが、日本の先生方は飛行機に乗る患者に対してどのような指導をされているのですか?
- 気胸の発生、低酸素血症の出現あるいは増悪する可能性を説明していると思います。気付かずにいた軽度の気胸が搭乗中に悪化する可能性もあるため、患者さんによっては搭乗前の健康診断を勧められていると思います。
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- 在宅酸素療法をしていない患者です。過去の気胸の経験と、階段等で息が切れる以外には目立った症状はありません。身体が動か なくなる前に、一度くらい遠い外国に行ってみたいのですが、長時間(たとえば 10 時間以上)飛行機に乗る時の注意を教えてください。在宅酸素療法をしていない患者でも、飛行機に乗る時は、搭乗時間分の酸素を手配した方がよいのですか? また、それは、何時間以上乗るならば必要で、何時間以内なら不必要、という分け方が出来ますか?
- 海抜レベルでは在宅酸素療法が不要な方でも、機内では酸素が必要になる可能性はあります。例えば、準呼吸不全の方(PaO2<70Torr)では、機内の気圧低下により、搭乗中は酸素吸入が必要となる可能性があります。また、短時間のフライトであれば身体的影響は少ないが、長時間のフライトでは酸素吸入をした方がよいと思われる場合もあります。飛行適正に関する評価は、一般に安静時 PaO2≦70Torr、 FEV1<50%予測値、FVC<50%予測値、拡散能力≦50%予測値、SpO2≦95%、50m歩行で強い息切れを認める場合に考慮する必要があります。担当の先生とよく相談してください。一方、在宅酸素療法を実施している方では、大気圧下での酸素流量のおおよそ2倍あるいは1~2L/分の追加が必要になると見込まれます。在宅酸素療法をしている方が飛行機を用いた旅行時には、あらかじめ準備が必要です。携帯用酸素ボンベを機内に持ち込むことが必要ですが、持ち込みに際しては 14 日以内に診断書(各航空会社の書式による)とHOTプロバイダーが発行する仕様証明書の提出が求められます。国際線に搭乗する場合には、あらかじめ診断書が必要になり、また、渡航先での酸素の手配も必要となります。
これとは別に、LAMのような嚢胞が多数肺内にある病気の人では、気胸が発生したり悪化するリスクがありますので、担当医との相談や事前の健康診断が必要です。
担当医からの許可があった場合でも、短距離のフライトからためして自信をつけてみるのが良いかもしれません。海外での緊急な受診を想定して、政府(厚生労働省や外務省)からの情報を確認し、現地の医療情報を調べたり(日本語の通じる病院に受診できるかどうかなど)、海外旅行保険に加入しておく必要があります(慢性疾患の悪化や、気胸などの治療が長期間かつ高額となった場合、保険の条件を超える場合があり得るようですので確認が必要です)。また、担当医から英語の情報書を作成してもらえると良いでしょう。
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