コケイン症候群(指定難病192)

こけいんしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どのような経緯で、いつぐらいにコケイン症候群(Cockayne syndrome:CS)と診断がつくのですか?

患者さんの大半は生まれた後の最初の日光浴や公園の散歩、海水浴のあとなどに激しい日焼け反応が出現します。その反応は数日が経過しても持続し、近くの皮膚科、小児科受診後、「重篤な日光過敏症」の疑いで大学病院に紹介されるケースが多いです。その際、小頭症、低体重、低身長といった著明な発育障害があればCSを疑い詳しい検査を進めます。MRIなどの画像検査だけではなく、可能であれば患者さんの皮膚細胞を用いた様々な検査を行います。特徴的な症状が明らかになる3~5歳での診断例が多いです。

コケイン症候群の診断はどこの病院でも可能ですか?

臨床診断や重症度の評価は皮膚科専門医、小児神経科専門医が常勤する病院であればどこの施設でも可能です。必要であれば患者さんご本人の血液を採取してCSに関わる遺伝子を調べる、あるいは皮膚を採取し、人工的に培養した皮膚細胞を用いてCSかどうか、CSであればどのようなタイプのCSかなど詳しい診断を行います。前者は非保険検査になりますが、かずさDNA研究所に外注可能です。一方、後者の検査実施は現在神戸大学、大阪医科薬科大学のみが窓口になっています。

コケイン症候群に患者家族会はあるのですか?入会することによるメリットは何かありますか?

現在、家族会として「日本コケイン症候群ネットワーク」があります。家族会の活動としては、年1回の宿泊を兼ねての集いを開催し、生活上の工夫などCSについての情報交換、そして家族間の絆を深めています。しかしまだまだ本疾患の社会での認知度は低く、ホームページ作成、マスコミに取り上げられることで社会への啓蒙活動も積極的に行っています。入会するかどうかはご家族の判断です。
 日本コケイン症候群ネットワーク
http://www.jpcsnet.com/

コケイン症候群の子どもがいます。次の妊娠を考えていますが、同じ病気になる可能性は高いのでしょうか?また胎児診断は可能なのでしょうか?

次子がCSを発症する可能性は25%です。CSの出生前診断を行っている施設は現在日本にはありません。

CSは小児慢性特定疾病のひとつであると聞きました。医療費助成を受けるための申請など手続きの方法を教えてください。

この助成制度は、都道府県知事などが指定する医療機関が行う医療に限り対象となります。まず地域の指定医療機関を受診し、あらかじめ都道府県知事などから指定を受けた医師から医療意見書を交付してもらいましょう。その意見書を都道府県、指定都市、中核市、児童相談所設置市の担当窓口に提出して申請してください。

日焼け止めはどのようなものを、どのように使用すればいいですか?

紫外線吸収剤が入っておらず、SPFの数値が40以上、PAの表示が3+あるいは4+のものを使用してください。日焼け止めは種類によっては汗をかくと取れやすく、時間がたつと効果が落ちますので朝塗布したあと、昼にもう一度塗り直してください。

情報提供者
研究班名皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日令和4年12月(名簿更新:令和5年6月)