メニュー


HOME >> 病気の解説(一般利用者向け) >> 特発性後天性全身性無汗症(指定難病163)

特発性後天性全身性無汗症(指定難病163)

とくはつせいこうてんせいぜんしんせいむかんしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「特発性後天性全身性無汗症」とはどのような病気ですか

運動をした時とか暑くて湿度の高い環境にいても汗をかくことができない病気を無汗症といいます。無汗症には、生まれつき遺伝する先天性無汗症のほか、大人になって後天性(生まれつきではない)に発症する後天性無汗症があります。特発性後天性全身性無干症は、後天的に明らかな原因がなく汗をかくことができなくなり血圧が低くなるなどの他の自律神経異常および神経学的異常を伴わない疾患と定義されています。患者さんは体温調節に重要な汗をかくことが少なくなるので、運動や暑いところで簡単に体温が上昇して熱中症などになりやすくなります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

過去5年間に全国の大学病院に受診したことのある患者さんの数をアンケート調査で調べたところ日本に145人くらいと非常に稀な病気です。実際は病院に受診していない患者さんもいてもっと多いと考えられています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

欧米人より日本人のほうが圧倒的に多いと考えられています。また、10-30歳代の若い男性に多いとされています。

4. この病気の原因はわかっているのですか

原因はまだわかっていません。汗を出す汗腺(かんせん)という器官のアセチルコリン受容体にアセチルコリンという神経伝達物質が結合することにより汗が出ます。このアセチルコリン受容体に異常があることが原因のひとつといわれています。

汗腺:汗をだす器官で体温調節するエクリン汗腺と体臭のもとになるものを分泌するアポクリン汗腺の2種類の汗腺があります。



アセチルコリン:神経伝達物質で神経の末端から分泌して神経刺激を伝える役割があります。

5. この病気は遺伝するのですか

遺伝はしません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

患者さんは体温を調節するという大切な役割のある汗を出す機能が障害されるため、運動や暑熱環境でうつ熱を起こし、全身のほてり感、体温上昇、脱力感、疲労感、顔面紅潮、悪心・嘔吐、頭痛、めまい、動悸などがみられます。ひどいときは熱中症になり意識を失ったりすることもあります。運動や暑熱環境で皮膚のピリピリする痛みや小さな赤い発疹(コリン性蕁麻疹)がしばしばみられます。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

ステロイド・パルス療法という治療法があり副腎皮質ステロイドホルモンであるメチルプレドニゾロン(500~1000mg/日)を3日間点滴静注することを1~2回行っています。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

半数以上の方はステロイドパルス療法で治りますがこの治療法が効かない方もいます。免疫抑制剤とか他の治療法を試みることがありますがこれらの治療法も効かないことが多いようです。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

運動したり暑くて湿度の高い環境に長くいたりすると熱中症になることがありますので運動はできるだけ避け涼しい環境でいるよう心がけることが重要です。その他、クールベストの着用、ペットボトル水の携帯など体を冷却することを心がけるようにする事も大切です。


治験情報の検索:国立保健医療科学院
※外部のサイトに飛びます。
情報提供者
研究班名 特発性後天性全身性無汗症の病態解析及び治療指針の確立研究班
研究班名簿   
新規掲載日平成27年7月27日