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鰓耳腎症候群(指定難病190)

さいじじんしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「鰓耳腎症候群」とはどのような病気ですか

鰓耳腎症候群はBOR症候群ともよばれ、頸瘻孔・耳瘻孔・耳介の形の異常などに、難聴と、さまざまな腎臓の形態異常をともなう病気です。多くの場合、遺伝子の異常によって発症します。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

2010年の厚生労働省研究班の調査によると、わが国の患者数(医療受療者数)は約250人と推定されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

男女差はありません。耳瘻孔や耳介の異常は生後すぐに気づかれます。重症な難聴や腎機能障害も生後早い時期に気づかれますが、軽症な場合は成人となってから健康診断などで見つかることもあります。
耳瘻孔と難聴があって他に大きな病気はないという方は、一度この病気のことを考えて腎臓の検査(超音波検査など)を受けることをお勧めします。

4. この病気の原因はわかっているのですか

多くの方は8番染色体にあるEYA1という遺伝子の異常によって発症します。一部の方は14番染色体にあるSIX1という遺伝子の異常でも発症します。このEYA1SIX1がコードする蛋白は生体内では複合体を作って作用しますので、いずれの異常でもほぼ同様の症状になります。

5. この病気は遺伝するのですか

鰓耳腎症候群は常染色体優性遺伝という形式で発症する遺伝性疾患です。ご両親のどちらかがこの病気であれば、50%の確率でお子さんに遺伝する可能性があります。ただし、ご両親ともにこの病気でなくても、お子さんにだけ発症することがあります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

難聴はほぼ全員の患者さんにみられます。感音性難聴、伝音性難聴、混合性難聴いずれもあります。生後すぐに見つけられることもあれば、聴力検査で初めて気づかれることもあります。また、多くの患者さんで耳瘻孔を合併します。その他、頸瘻孔、耳介の形の異常、顔面神経麻痺が見られることがあります。腎臓の異常は、腎低形成(生まれつき腎臓が小さく、機能が悪い)や水腎症などがみられますが、腎臓の異常がまったくない場合もあります。知能は多くの場合で正常ですが、軽度な精神発達の遅れや、難聴を原因として言葉の遅れがみられることがあります。上記以外の症状(鎖肛、多指、網膜色素変性症など)がある場合は、他の疾患との鑑別が必要です。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

特別な治療はなく、対症療法になります。難聴はさまざまなタイプがあり、補聴器が有効な場合も、手術によって聴力が改善する場合もあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

多くの方は生後受けた聴力検査や腎臓の超音波検査で気づかれます。聴力が悪いまま放置すると言葉の獲得が遅れますので注意が必要です。腎臓の病気が進行すると透析や移植が必要になることがあります。聴力と腎臓の病気をうまく治療すれば、健常な方と同じ生活を送ることができます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

腎臓の悪い方は、水分をきちんと摂る、塩分の摂りすぎに注意するなどが必要です。難聴については専門機関で治療をしてもらい、必要に応じて言葉のトレーニングを受ける必要があります。

関連ホームページのご紹介

神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
http://www.med.kobe-u.ac.jp/pediat/


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情報提供者
研究班名 腎・泌尿器系の希少・難治性疾患群に関する診断基準・診療ガイドラインの確立班
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新規掲載日平成27年7月24日