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血液・凝固系疾患分野出血性後天性凝固異常症(平成24年度)

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1. 概要

血が固まる(凝固)のに必要なタンパク質である凝固因子が、生まれつきではない(遺伝ではない)理由で著しく少なくなるため、血を止める(止血)ための血の塊(血栓)ができにくくなり、自然に、あるいは軽い打撲などによって激しく出血する病気。

2. 疫学

不明(約100人/年 以上と推測)

3. 原因

自分の凝固因子に結び付く抗体(自己抗体)が作られてその凝固因子が働かなくなること(インヒビター)や、外傷・事故・手術などによる大出血や各種の病気による過剰な消費のためにその凝固因子が大量に失われることが、出血の原因となる場合が多いと推測される。血の固まる速さを調べる一般的な検査(PT、aPTTなどの凝固時間)の値が異常である場合は内因系、外因系凝固因子の低下症であり診断が容易であるが、正常である場合はそれ以外の凝固因子の低下症(第XIII/13因子やフォンウィルブランド因子など)を個別に詳細に精密検査する必要があり、確定診断は困難である。

4. 症状

出血の既往歴や家族歴もなく、血を固める小さな血球(血小板)の数も減っていないのにも拘らず、突然出血する。体の軟らかい部分である筋肉・皮膚の出血が多いが、身体のどの部位にでも出血する可能性がある。急に大量に出血したり、持続的あるいは再発性に出血するので貧血になり、ショック状態を起こすこともある。

5. 合併症

出血する部位によっては様々な症状が合わさって起こる(合併症)可能性がある。特に脳を含む頭蓋内の出血では脳神経系に、心臓や肺がある胸腔内の出血では循環系に重い障害を起こし、致命的となる場合もある。また、大量出血で失血死することもある。

6. 治療法

出血を止めるためにそれぞれの因子製剤を注射することが必要であるが、「3.原因」に書いた自己抗体によるインヒビターの例では、注射した凝固因子活性が効かなくなるため、それだけで出血を止めることは難しい。それぞれの凝固因子に加えて、免疫を弱める薬(免疫抑制剤)を注射して自己抗体を作らせないようにする必要がある。それぞれの因子製剤が緊急に入手できない場合は、代わりに血栓が溶けにくくなる薬(抗線溶薬)を使用することがある程度止血に有効であると予想される。

7. 研究班

診断困難な(原因不明の)出血性後天性凝固異常症の総合的診療指針の作成 研究班