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循環器分野難治性川崎病(平成23年度)

なんちせいかわさきびょう
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1. 概要

川崎病(KD)は年間約10,000から12,000人の小児に発症し、その内約16%で、標準治療である初回超大量ガンマグロブリン(2g/kg/回)静注療法(IVIG)に不応である。このIVIG不応KDの約25%に冠動脈拡大・瘤(CAL)が合併する。IVIG不応KDは難治で、その治療法は、標準化されておらず、世界的に病院、医師の間で混乱しているのが現状である。この初回IVIG不応KDを難治性KD (refractory KD:rKD)と定義する。2005年にインフリキシマブ(IFX)のrKDへの有効性が発表されてから、国内のrKD治療はさらに混乱した。本研究ではrKDに対する治療ガイドライン(冠動脈内血栓治療法含む)を策定することを目的とする。

2. 疫学

年間川崎病は約10,000から12,000人の小児(多くは3歳以下)に発症し、その内、初回IVIGを受けるのは約86%、不応例(難治性川崎病;rKD)は、全国川崎病調査結果から、初回投与群の20%とされる。よって年間約1700~2000人がいわゆる難治性川崎病となる。

3. 原因

川崎病自体の原因については、Epstein-Barrウイルス、ブドウ球菌を発端とするスーパー抗原、グラム陰性菌由来のエンドトキン(LPS)などの単因子説や、個人的素因(遺伝子素因としてITPKC遺伝子が提案されている)と惹起物質の総合関係からの考察もある。直近では腸内の複数の細菌の関与も提唱されているがKDの原因は不明のままである。初回IVIG不応のrKDでも、その不応の成因は全く不明で、我々研究班での基礎的データから、それに関しては不応例のIVIG前予想が可能になりつつある段階である。なぜ、KDで冠動脈を中心に合併症がおこるのか、その機序の解明は不十分のままである。

4. 症状

KDの主要症状は、1)5日以上続く発熱、2)両側眼球の充血、3)口唇口腔発赤・充血、4)体幹不定型発疹、5)掌蹠紅班と硬性浮腫、6)非化膿性頸部リンパ節腫脹である。rKDでは、初回のIVIG後24時間以内に解熱せず、全身状態も悪化する。抗生物質の効果はない。

5. 合併症

rKDの約25%に冠動脈拡大・瘤(CAL)を合併する。CALの一部は巨大冠動脈瘤(径>8mm)となる。巨大冠動脈瘤の頻度は、IVIGが導入されてからも減少はしていない。CALが成人期に冠イベントを起こすか否かはまで不明である。しかし、動脈硬化を起こしやすくするだろうと予想されている。また、30歳前後で突然に発症した冠イベントの症例では、冠動脈拡大・瘤が見られる時があり、小児期にKDになっていた可能性が考えられている。rKD で合併したCALは後遺症として残存し、一生涯、アスピリン、ワーファリンなどの抗凝固療法の継続が必要であるとともに、巨大冠動脈瘤では運動・生活制限が必要となる。

6. 治療法

rKDの治療として試みられているのは、IVIG再投与(合計4g/kg)、ステロイド、インフリキシマブ、シクロスポリン、ウリナスタチン

7. 研究班

難治性川崎病の治療ガイドライン作成研究班