メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 小児悪性ローランド・シルビウスてんかん(平成23年度)

神経系疾患分野小児悪性ローランド・シルビウスてんかん(平成23年度)

研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

大脳外側に位置するローランド溝やシルビウス裂周辺にてんかん原生を持つてんかん症候群のひとつである。その特徴は以下のようである。
(1)小児期に発症するきわめて難治の運動発作および/または感覚発作のてんかん症状。
(2)薬物治療には抵抗性。
(3)頭部MRIでの正常所見。
(4)脳波検査で、中心・中側頭部優位の棘波、棘徐波がみられ、睡眠時にはほぼ連続して出現。
(5)脳磁図検査で一側大脳ローランド溝やシルビウス裂周辺に等価電流双極子の集積。
(6)認知障害、高次脳機能障害を併発する。
病名は、2001年にOtsuboらが報告したmalignant Rolandic-sylvian epilepsy in childrenに由来する。

2. 疫学

国内では散発的な症例報告のみで、これまでに疫学調査の報告はなく、詳細は不明である。海外では数十例の報告がある。

3. 原因

小児期に発症するが、脳MRIでは構造異常は見られない。手術例の病理所見からは、極小さな皮質形成異常やグリオーシスが存在することより、大脳ローランド溝やシルビウス裂周辺の微細な先天的構造異常に由来すると考えられる。

4. 症状

てんかん発作として、運動発作または感覚発作のいずれかまたは両方を併せ持つ。2次性全般化強直間代発作を伴う場合がある。てんかん発作はこれまでの報告ではほぼ連日みられ、特に睡眠中に多い。これらは抗てんかん薬では完全に抑制されない。

5. 合併症

てんかん発作や脳波異常を適切にコントロールできない場合、進行性の認知障害や高次機能障害を合併する。

6. 治療法

てんかん発作に対しては抗てんかん薬治療では完全に発作は抑制できない。適切な時期にてんかん原生部位を同定して、脳外科的に病変切除術または軟膜下皮質多切術をおこなう必要がある。

7. 研究班

傍シルビウス裂症候群の実態調査と診断基準の作成に関する研究班