■概念 |
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本疾患は原因不明で、主として若年者にみられ、潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり、消化管のどの部位にも起こりうる。消化管以外(特に皮膚)にも病変が起こることがある。原著では回腸末端を侵す(回腸末端炎)と記載されたが、その後口腔から肛門までの消化管のあらゆる部位に起こりうることがわかった。臨床像は病変の部位や範囲によって多彩である。発熱、栄養障害、貧血などの全身症状や関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症がおこりうる。 [WHOのCIOMS(Council for international Organization Sciences.医科学国際組織委員会)による概念(1973)を一部改訂] |
■疫学 |
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好発年齢は10歳代後半から20歳代に多く、男性で20~24歳、女性で15~19歳にピークがみられる。男女比は約2:1で男性に多い。人口対10万人の罹患率は0.51、有病率は5.85、家族内発症は1.5%。手術率は発症10年で70.8%である。平成21年度医療受給者証交付件数でみると30,891人が登録されている。 |
■病因 |
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原因は不明。現在のところ遺伝的因子、環境因子(ウイルスや細菌などの微生物感染、腸内細菌叢の変化、食餌性抗原など)などが複雑に関与し、免疫系の異常反応が生じていると考えられている。 |
■病変部位 |
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大多数は小腸や大腸、またはその両者に縦走潰瘍、敷石像やアフタなどの病変を有する。病型は縦走潰瘍、敷石像、または狭窄の存在部位による(小腸型、小腸大腸型、大腸型など)。これらの所見を欠く場合には特殊型とする。 |
■症状 |
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腹痛、下痢、体重減少、発熱、肛門病変などがよくみられる症状である。ときに虫垂炎に類似の症状、腸閉塞、腸穿孔、大出血で発症する。また、腹部症状を欠き、肛門病変や発熱で発症することもある。腸管外合併症として貧血、末梢関節痛・炎、強直性脊椎炎、口腔内アフタ、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)、虹彩炎、成長障害などがあり、長期経過例では腸管悪性腫瘍が問題となる。 |
■診断 |
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臨床症状などからクローン病が疑わしいものについては臨床所見を把握して消化管X線造影検査、内視鏡検査、生検、手術症例では切除標本の検査を行い、診断基準の項を参考にして診断する。 主要所見は縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫、副所見は縦列する不整形潰瘍またはアフタ、上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍またはアフタであり、これらの所見と潰瘍性大腸炎や虚血性大腸炎などとの鑑別により診断する。 |
■治療 |
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本症を完治させる根本的な治療法は現時点ではない。治療の目的は病気の活動性をコントロールして寛解状態を維持し、患者のQOLを高めることである。そのために薬物療法、栄養療法、外科療法を組み合わせて、栄養状態を維持し、症状を抑え、炎症の再燃・再発を予防することにある。治療にあたっては患者にクローン病がどのような病気であるかを良く説明し、患者個々の社会的背景や環境を十分に考慮し、治療法を選択する。 |
(1)内科的治療 |
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・寛解導入療法 ・寛解維持療法 ・痔瘻に対する治療 |
(2)外科的治療 |
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外科治療の目的は、愁訴の原因となる合併症に外科的処置を加え、患者のQOLを改善することにある。 ・絶対的適応:腸閉塞、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、癌合併 ・相対的適応:症状を伴う狭窄(内視鏡的拡張術が有効な場合もある)、膿瘍、内瘻、外瘻のほか発育障害や内科治療無効例、肛門周囲膿瘍、排膿の多い有痛性痔瘻など |
■予後 |
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クローン病の手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と高く、さらに手術後の再手術率も5年で28%と高率であることから、再燃・再発予防が重要である。診断後10年の累積生存率は96.9%と生命予後は良好と考えられている。 |
難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班から |
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クローン病(公費対象)
くろーんびょう
| 研究班名 | 消化器系疾患調査研究班(難治性炎症性腸管障害) |
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| 情報更新日 | 平成23年7月27日 |




