先天異常症候群(指定難病310)

せんてんいじょうしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「先天異常症候群」とはどのような病気ですか

先天異常とは、生まれつきの症状が特定の臓器に限られるものと、複数の臓器に認めるものの2つに大きく分けることができます。このうち、後者を先天異常症候群といいます。身体の成長や知能の発達の遅れも症状に含まれます。いずれも、正しく診断がつくことによって合併症の発症する臓器や時期をある程度予想することができ、発症の早期発見や回避、早期治療や症状の軽減が期待できます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

先天的な疾患は新生児の約5%に存在すると言われています。そのうち、染色体に変化をもつ疾患が約5~10%、遺伝子に変化を伴う疾患が約15~20%、環境要因による考えられる疾患が約10%を占め、複数の因子が関わっていると推定されるものも含めて約半数は現在のところまだはっきりした原因がわからない疾患となっています。

3. この病気の原因はわかっているのですか

先天異常症候群の多くは染色体または遺伝子に生まれつきの変化を認めることが多いことが知られています。
染色体は顕微鏡での観察でわかる本数や大きな構造の変化だけではなく、一部分がわずかに欠けるまたは重複することによっても、複数の遺伝子が増減して、発症します。遺伝子はDNAの配列の変化のほか、遺伝子の一部が増減することや、遺伝子のスイッチが切れることなどによって、うまく機能しなくなり発症の原因となります。

4. この病気にはどのような治療法がありますか

ヒトの体では遺伝子に従ってさまざまなタンパク質が作られますが、このタンパク質には臓器の形を作るものと、臓器でのさまざまな働きを担うものとがあり、遺伝子に変化が起きることにより、前者では体の形態の変化が、後者では体の機能の変化が生じます。
体の形作りは出生までにほとんどが終わっていることから、健康や日常生活に支障のあるような形態の変化に対しては外科的な手術療法が行われることがあります。体の機能の変化には、同じ機能を持つ物質を補給する治療が考えられますが、実用化されている薬剤はまだわずかです。
疾患を根本的に治療する薬剤はほとんどありません。早期からの療育訓練が重要です。症状・合併症に合わせた治療を行います。

5. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

医療的なケアが必要な症状については主治医と相談の上、食事や運動量なども含めた指導や治療を受けることが必要です。学童では症状に応じた学校での活動内容の可否を定めた「学校生活管理指導表」がありますので、必要に応じて主治医に記載していただいて下さい。
先天異常症候群の合併症や症状、治療法などに関する情報が日々増えています。定期的に通院診察により、合併症の早期発見のほか、新たな情報を得ることができるかも知れません。
また、さまざまな医療支援・社会支援制度がありますので、状況に応じて支援窓口に相談されると良いでしょう。

6. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

1q部分重複症候群
9q34欠失症候群
コルネリア・デランゲ症候群
スミス・レムリ・オピッツ症候群

 

情報提供者
研究班名 先天異常症候群のライフステージ全体の自然歴と合併症の把握:Reverse phenotypingを包含したアプローチ班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年3月(名簿更新:令和4年7月)