表皮水疱症(指定難病36)

ひょうひすいほうしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

表皮水疱症には患者会はありますか?

はい。現在下記の2団体が活動しています。
1.NPO法人 表皮水疱症友の会
http://debra-japan.com/
2.社会福祉法人 復生あせび会
http://www.asebikai.com/

同じ遺伝子変異を持った家族は同じ症状になるのでしょうか?

同じ遺伝子の同じ場所に同じタイプの遺伝子変異を持っている場合、出現する可能性がある症状・合併症は同じで、皮膚の弱さの程度もおおよそ同じと考えられます。しかし、どの症状がどのくらい強く出るかは生活環境、生活習慣、栄養状態、治療状況などによっても差が出てきます。また、たとえば同じ変異を持った親子(顕性遺伝)であっても、もう一つ潜性遺伝を来す変異が加わった場合、親子の間で大きく皮膚症状の重症度が変わることも知られていますので、一概には言えない面があります。

栄養障害型は栄養障害が原因で起こるのでしょうか?

いいえ。VII型コラーゲンの遺伝子変異によって水疱、びらんからのタンパク質の喪失や、口の中の粘膜びらんや虫歯、歯周病、食道狭窄などによる食事摂取量の低下によって結果的に栄養障害を来します。

症状が軽いから単純型であると医師から診断されたという患者さんを知っていますが本当でしょうか。

いいえ。昔は患者さんの皮膚症状をみて、軽症であれば単純型、重症であれば栄養障害型と判断されることもしばしばあったようで、実際大雑把にはその傾向があります。しかし、診断のための皮膚検査法や遺伝子診断ができるようになって、単純型であっても重症な方、栄養障害型であっても軽症な方が少なからずいることが明らかになっており、病型の診断はきちんとした検査をしなければわかりません。

水疱、びらんのできやすさは年齢と共に改善しますか?

一般的には新生児や乳児は皮膚が未熟であり、成人に比べて皮膚は薄く、皮下脂肪も少ないため、外力に対する皮膚の抵抗性は成人より弱いです。成長に伴い皮膚は成熟し、身のこなしも良くなり、外力を避ける知恵もつくため、その意味では水疱やびらんの程度は軽減してくることが期待できます。しかし、病型によってはある年齢からかゆみがひどくなり、掻いてしまい水疱やびらんが増えていってしまうケースがあったり、生活環境がかわることで悪化するケースもあり、一概に年齢が進むにつれ良くなるとは言えません。また、年齢が進むと出現する合併症もありますので、担当医にご相談下さい。

 

情報提供者
研究班名 稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和5年6月)