22q11.2欠失症候群(指定難病203)

22q11.2けっしつしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

22q11.2症候群は別の名でもよばれますか?

22q11.2欠失症候群は、ディジョージ症候群、円錐動脈幹異常顔貌症候群などとも呼ばれてきました。これらの大部分は染色体22q11.2微細欠失が原因になる病気であることが分かりました。

出生後チアノーゼがあり、ファロー四徴症と診断されました。22q11.2症候群の疑いがあるといわれました。確定診断と遺伝の相談をするには?

確定診断するには、血液検査をします。22番染色体(22q11.2)の微細な欠失(顕微鏡では発見できないほどのサイズ)が原因です。遺伝については、この病気に詳しい主治医か遺伝カウンセラーに相談して下さい。

無酸素発作を起こす可能性があるといわれましたがどのような発作でしょうか?

ファロー四徴症で右室流出路狭窄が強い症例で、啼泣時や発熱/脱水時、哺乳や入浴後に全身チアノーゼが強くなって低酸素血症を生じる発作のことです。右室流出路の過剰な収縮や、全身の血管抵抗が下がることにより肺血流が減少し、心室中隔欠損を介する右—左短絡が増加して全身の低酸素血症を生じることが原因です。症状は、急に不機嫌になり、チアノーゼと呼吸困難が強くなり、高度になると意識がなくなったり全身のけいれんを起こすことがあります。長時間続く場合は死亡することもあります。貧血があると、チアノーゼが目立たなくなる上、チアノーゼ発作を起こしやすくなるので注意が必要です。

Fallot四徴症はいつごろ手術をするのでしょうか

通常は1歳前後で心内修復術(心室中隔欠損閉鎖術+右室流出路形成術)を行います。肺動脈閉鎖をともなう場合は、人工血管などの導管を使用するため、将来の導管狭窄のリスクなどを考えて1-3歳をめどに行われることが多いです。主要肺体側副動脈がある場合には、複雑な手術やカテーテル治療が必要です。治療が難しくなるので主治医とよく相談することが大切です。

Fallot四徴症術後, 妊娠出産は可能でしょうか?

22q11.2欠失症候群の遺伝について、主治医に相談する必要があります。染色体異常(微細欠失)が遺伝する確率は50%ですが、健康なお子さんが生まれる可能性もあります。
心内修復術後に遺残症や続発症がない場合には、通常通りの妊娠出産が可能です。術後右室流出路狭窄が残っている場合や肺動脈閉鎖不全のために右室拡大を生じている場合など術後の遺残症がある場合には、狭窄の程度により妊娠中の管理が必要となることがあるため、妊娠を考える際には事前に専門医に相談することが必要です。妊娠中ばかりでなく、出産後の産褥期に心不全を生じることが多いため、出産後も数か月は十分に注意が必要です。また、感染性心内膜炎の予防が必要です。

関連ホームページのご紹介

① 22q-pedia (東京大学22q研究事務局)
https://22q-pedia.net/about/
② GRJ(GeneReviews Japan)22q11.2欠失症候群
http://grj.umin.jp/grj/22q11_2.htm
③ 日本小児循環器学会編集. 診断と治療社, 2018.
④ 小児慢性特定疾病情報センターホームページ
https://www.shouman.jp/disease/details/10_02_019/
⑤ 先天性心疾患並びに小児期心疾患の診断検査と薬物療法ガイドライン(2018年改訂版)
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_Yasukochi.pdf
⑥ 成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017年改訂版)
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_ichida_h.pdf
⑦ 先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン(2012年改訂版)
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2012_echigo_h.pdf

 

情報提供者
研究班名 先天性心疾患を主体とする小児期発症の心血管難治性疾患の救命率の向上と生涯にわたるQOL改善のための総合的研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年3月(名簿更新:令和4年7月)