心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症(指定難病213)
しんしつちゅうかくけっそんをともなわないはいどうみゃくへいさしょう
- この病気は右心室の大きさや三尖弁の形態などが個人によって千差万別です。右室が比較的大きく、肺動脈弁が膜様に閉鎖していると、カテーテル治療が成功する可能性が高くなります。カテーテル治療がうまくいくと、右室から肺動脈へ、左室から大動脈へと血流が流れる普通の心臓に近くなります。右室が小さめでも、治療後には新生児期から成人へと成長にともなって右室の大きさが大きく変化することがあります。手術となった場合には、一般的に右室の大きさが正常の1/2より小さいときには、フォンタン手術となることが多いです。右室の大きさが正常の1/2より大きいときは、右室と左室を使った2心室修復の可能性が高くなります。
右室が小さいほど、冠動脈の異常が存在する確率が増えます。冠動脈異常が存在すると、突然死の可能性が高くなります。この様に同じ病名でも将来の経過が大きく違うのがこの病気の特色です。
同じ病名でも将来の経過が大きく違うと言われましたが、何故でしょうか?
- この病気は右心室の大きさや三尖弁の形態などが個人によって千差万別です。成人後の経過も個人によって千差万別です。2心室修復後の経過がよければ、妊娠出産は可能です。NYHA II度以上の心不全であれば、妊娠出産は困難になります。 フォンタン手術後は NYHA I 度でも妊娠出産は困難ですが、不可能ではありません。
うちの娘は将来、妊娠出産できるのでしょうか?
- この病気は右心室の大きさや三尖弁の形態などが個人によって千差万別です。成人後の経過も個人によって千差万別です。寿命に関してはわかっていないことが多いです。2心室修復後の経過がよければ、寿命も良好と考えられます。NYHA II度以上の心不全であれば、寿命は普通より短いといわざるをえません。フォンタン手術後は NYHA I 度でも寿命は普通より短いですが、具体的なデータはまだでていません。
寿命は普通より短いのでしょうか?
研究班名 | 先天性心疾患を主体とする小児期発症の心血管難治性疾患の生涯にわたるQOL改善のための診療体制の構築と医療水準の向上に向けた総合的研究班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和2年8月 |