内分泌疾患分野|Carney複合(カーニー複合)(平成22年度)

かーにーふくごう
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1. 概要

粘液腫、皮膚の色素斑、内分泌機能亢進状態を合併した症例をまとめ、名 付けられた比較的新しい疾患概念であり、このうち2つ以上の症候があれば診断される。女性化乳房、骨粗鬆症、クッシング症候群、思春期早発症、末端肥大 症・巨人症、内分泌腺腫瘍など内分泌疾患の合併が多いことで知られる。既に海外では診断基準が提唱されているが、本邦の実態に沿うものか否かはまったく不 明である。

2. 疫学

世界で300例以上、日本では20~30例程度と推定される。

3. 原因

世界で300例以上の報告があり、その約半数が常染色体優性遺伝形式 で、残りは散発例である。遺伝子座位としては2p16(CNC type2 : MINM605244)あるいは17q2(CNC type1 : MIM160980)との連鎖が示唆されており、本症候群には異質性がある。さらに、CNC type1の原因遺伝子としてprotein kinase A regulatory subunit 1-α(PRKAR1A)が同定されているが、CNC type2の原因遺伝子は未だ同定されていない。

4. 症状

粘液腫、皮膚の色素斑、内分泌機能亢進状態(女性化乳房、Cushing症候群、思春期早発症、末端肥大症・巨人症、内分泌腺腫瘍)。

5. 合併症

骨粗鬆症などの内分泌疾患。

6. 治療法

内分泌異常に関しては各症状・症候に対しての対症療法。腫瘍性病変が存在する場合には腫瘍摘出術など。

7. 研究班

Carney複合の全国調査ならびに診断指針等の作成に関する調査研究班