耳鼻科疾患分野|両側性蝸牛神経形成不全症(平成22年度)

りょうそくせいかぎゅうしんけいけいせいふぜんしょう
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1. 概要

先天性難聴で、CT、MRI検査により両側性蝸牛神経の形成不全(欠損あるいは細小)が確認される疾患。腫瘍、炎症などによる蝸牛神経の欠損、細小化による後天性難聴は含めない。

2. 疫学

不明(1000人程度と推定)。

3. 原因

非症候群(難聴以外に症状がない)は原因が不明。
症候群性(難聴とそれ以外の合併症がある)は、CHARGE症候群、VATER-RAPADILLINO症候群、Okihiro症候群、Mobius症候 群、Hirschsprung病の一症状として認められるが、その一部では遺伝的原因が判明している。

4. 症状

先天性、両側性の高度感音難聴
聴覚口話による言語獲得不能あるいは言語発達の顕著な遅れ

5. 合併症

症候群性の両側性蝸牛神経形成不全症(CHARGE症候群、VATER-RAPADILLINO症候群、Okihiro症候群、Mobius症候群、Hirschsprung病など)では、各症候群特有の合併症(主として他器官の奇形)を有する。

6. 治療法

補聴器による言語訓練、人工内耳による言語訓練、聴性脳幹インプラントによる言語訓練、視覚・振動覚・大脳活用による言語訓練。

7. 研究班

両側性蝸牛神経形成不全症のサブタイプ分類に基づく診療指針の確立班