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内分泌疾患分野腎性尿崩症(平成22年度)

じんせいにょうほうしょう
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1. 概要

腎臓の腎尿細管細胞の抗利尿ホルモンに対する感受性が低下して、尿の水分の再吸収が障害される。その結果、尿濃縮障害が惹起され、多尿を呈する疾患。

2. 疫学

腎性尿崩症の正確な罹病率は不明である。最近のカナダケベック州での推測では男児15万人出生あたり1人と報告されている.従ってわが国では、約400人の患者が存在すると思われる。非典型・軽症例を加えると更にこの数は増加すると思われる。

3. 原因

先天性(遺伝性)腎性尿崩症は、腎臓の尿細管細胞の抗利尿ホルモンの2型受容体の遺伝子異常が大半を占め、X連鎖性劣性遺伝を呈する。希なものとして、尿細管の抗利尿ホルモン感受性アクアポリン水チャネル遺伝子異常も報告されており、これは常染色体劣性遺伝を呈する。

4. 症状


(1)胎児期
母体の羊水過多
(2)新生児期
生後数日頃から、原因不明の発熱をきたし、さらにけいれんをきたす。血中Naが高値を示す。
(3)幼児期~成人
多飲・多尿 。

5. 合併症

最も重要な合併症は、新生児期・乳児期の高度な高Na血症と脱水による中枢神経障害である。適切な治療を早期に行わなかった場合知能障害を残す。
多尿に伴い、水腎症・水尿管や巨大膀胱など尿路系の拡張が知られており、その結果、逆流性腎症さらに腎不全にいたる例もある。手術時に血中Naの調節が困難となり、死亡した症例も報告されている。

6. 治療法

現時点では根治治療は困難である。経験的にサイアザイド系利尿薬や、それに加えてインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症薬が併用されているが十分な効果は得られていない。
軽症の腎性尿崩症では、抗利尿ホルモンによってある程度尿量を減少させることが可能と考えられている。

7. 研究班

腎性尿崩症の実態把握と診断・治療指針作成研究班