消化器系疾患分野・免疫系疾患分野|好酸球性胃腸炎(平成22年度)

こうさんきゅうせいいちょうえん
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1. 概要

好酸球性胃腸炎とは胃や小、大腸の粘膜に多数の好酸球が浸潤して慢性的な炎症が引き起こされ、この炎症のために胃や腸の正常な機能が障害される疾患である。治療に一時的に反応して軽快するが再発、再燃を繰りかえしやすく、長期的な維持療法が必要となる。

2. 疫学

疫学調査からの国内推定値は約500名である。

3. 原因

原因は明らかとはなっていない。一部の例では食物中の抗原となりうる物質に対するアレルギー反応が原因であると考えられている。アレルギー反応で好酸球が胃、腸管の粘膜に集積し、炎症を引き起こして臓器の機能障害を起こす。

4. 症状

初発症状としては腹痛と下痢を同時に有する例が最も多く、全例の約40%を占める。他に嘔気、嘔吐、体重減少、発熱、腹部膨満、イレウス症状等が主要症状である。

5. 合併症

腸管の狭窄によるイレウスの発症、大量腹水が最大の合併症である。27%の例で喘息の、46%の例で何らかのアレルギー疾患の合併がみられる。

6. 治療法

20~40mg/日のプレニドゾロンの服用がおこなわれることが多いが、減量に伴って再燃を起こしやすいことが問題となっている。食べ物から抗原となりやすい食品を除いた除去食や成分栄養食の投与がおこなわれることもあるが有効性は一定しない。

7. 研究班

好酸球性食道炎/好酸球性胃腸炎調査研究班