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代謝疾患分野肝型糖原病(平成22年度)

かんがたとうげんびょう
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1. 概要

糖原病は糖代謝の経路に関与する酵素の異常によって発症する疾患群。糖 をエネルギーとして蓄積するためにグリコーゲンへと変換する系、および蓄積したグリコーゲンを代謝する系に関わる酵素の先天的異常により糖代謝が障害さ れ、組織にグリコーゲンが蓄積する。グリコーゲン蓄積による臓器障害(肝障害、筋障害等)、もしくは低血糖を呈する。障害を受けた酵素の発現部位により肝 型・筋型・全身型に分類される。肝型糖原病にはⅠ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅵ,Ⅸ(ⅩⅢ)型がある。

2. 疫学

累積発生頻度 約1:20000
本邦の患者数は約1200人と推定される。

3. 原因

糖からグリコーゲンへの合成系、グリコーゲンから糖への分解系を触媒す る酵素の欠損により起こる。Ⅰ型はグルコース—6-フォスファターゼもしくは小胞体の輸送系酵素(トランスロカーゼ)、Ⅲ型は脱分枝酵素であるアミロ— 1,6-グルコシダーゼ、Ⅳ型は分枝酵素であるアミロ1,4→1,6トランスグルコシラーゼ、Ⅵ型は肝ホスホリラーゼ、Ⅸ(ⅩⅢ)型は肝ホスホリラーゼキ ナーゼの欠損により糖代謝が障害され、グリコーゲンの蓄積と糖合成不全が起こる。

4. 症状

Ⅰ型は、糖新生で最も重要な酵素の欠損であるため、低血糖・肝腫大・乳酸アシドーシスをきたす。低血糖は重篤で頻回のことも多い。人形様顔貌、成長障害、高脂血症、高尿酸血症を認める。Ⅰb型では好中球減少を認める。Ⅲ型は進行性の(心)筋症がみられる。

5. 合併症

低血糖発作反復による発達遅滞、てんかん。Ⅰ型では肝腺腫など肝腫瘍、腎不全、出血傾向、骨粗鬆症。Ⅳ型は肝硬変、肝不全、脾腫。

6. 治療法

血糖値の維持が目標。食事療法(乳糖、ショ糖除去、果糖の制限)、特殊 ミルク、コーンスターチの摂取、特に夜間頻回または持続補給。好中球減少にはG-CSF定期投与。尿酸降下剤。急性期はグルコース静注による低血糖の改 善、アシドーシスの補正。一部の症例で肝移植が行われている。

7. 研究班

有機酸代謝異常症(メチルマロン酸血症・プロピオン酸血症)、尿素サイクル異常症(CPS1,OTC欠損症)、肝型糖原病の新規治療法の確立と標準化班