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筋疾患分野遠位型ミオパチー(平成22年度)

えんいがたみおぱちー
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1. 概要

遠位筋が好んで侵される遺伝性筋疾患の総称。世界的には少なくとも9つ の異なる疾患が含まれるとされているが、これまでのところ、本邦では「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」(常染色体劣性)、「三好型ミオパチー」(常染 色体劣性)、「眼咽頭遠位型ミオパチー」(遺伝形式不明)の3疾患しか見出されていない。何れも本邦において発見された疾患である。

2. 疫学

国立精神・神経医療研究センターでの筋病理診断件数からの推計では、本 邦での患者数は「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」167~345人、「三好型ミオパチー」124~247人、「眼咽頭遠位型ミオパチー」44~88人 と予測される。何れも「超」希少疾病であるが、他国と比較し本邦は患者数が多いと考えられる。

3. 原因

「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、シアル酸生合成経路の律速酵 素をコードするGNE遺伝子のミスセンス変異によりシアル酸合成能が低下することで発症する。「三好型ミオパチー」は筋鞘膜修復に関係する蛋白質ジスフェ ルリンの欠損症である。「眼咽頭遠位型ミオパチー」の一部の患者は、実際には、臨床病理学的に類似する眼咽頭型筋ジストロフィーに罹患しているが、大半の 患者では原因不明である。

4. 症状

「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、10代後半~30代後半にか けて発症し、前脛骨筋を特に強く侵すが、進行すると近位筋も侵される。病理学的に縁取り空胞の出現を特徴とする。「三好型ミオパチー」は10代後半~30 代後半に発症し、主に下腿後面筋群が侵されるが進行すると近位筋も侵される。病理学的には筋線維の壊死・再生変化が特徴であり、血清CK値が高度に上昇す る。「眼咽頭遠位型ミオパチー」は通常成人期~老年期にかけて発症し、眼瞼下垂、眼球運動障害、嚥下障害に加えて、特に前脛骨筋を侵すミオパチーを呈す る。筋病理学的には縁取り空胞を認める。

5. 合併症

歩行障害など。

6. 治療法

転倒による外傷など(歩行障害のため)。「眼咽頭遠位型ミオパチー」では、嚥下障害による誤嚥性肺炎など。

7. 研究班

遠位型ミオパチーの実態把握と自然歴に関する調査研究 [難治性疾患克服研究事業]
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーの治療効果最大化のための研究 [障害者対策総合研究事業(神経・筋疾患分野)]