メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(平成22年度)

血管奇形分野遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(平成22年度)

いでんせいしゅっけつせいまっしょうけっかんかくちょうしょう おすらーびょう
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病;hereditary hemorrhagic teleangiectasia: HHT)は,1.常染色体優性遺伝、2.皮膚・粘膜や内臓の多発性末梢血管拡張、3.それらの部位からの反復する出血を3主徴とする疾患である。合併する 脳動静脈奇形や肺動静脈奇形が破裂すれば時に致死的となることもある。

2. 疫学

北米あるいは欧米においては、頻度は、 1:8,000~1:10,000と報告されているが、過小評価されている可能性がある。従来、日本におけるオスラー病は極めて少ないと考えられていた。 しかし、近年、日本においても症例報告が増加しており、オスラー病は稀ならず存在すると考えられる。

3. 原因

常染色体優性遺伝により発症する。現在、責任遺伝子として、HHT1(Endoglin:エンドグリン)、HHT2(ALK1:アルクワン)の変異が確認されている。この2つ以外の責任遺伝子の存在も推定されているが、未だに確定されていない。

4. 症状

鼻出血、消化管出血などが多い。その他、腹痛、口腔内出血、全身倦怠感、痙攣、頭痛、心不全、喀血など非常に多彩である。

5. 合併症

肺、脳、肝臓などの動静脈奇形が破裂すれば致命的な経過を取ることがある。その他、重篤な合併症としては、脳膿瘍、喀血、敗血症、肝性脳症、消化管出血、粘膜出血、心不全などがある。

6. 治療法

各臓器における動静脈奇形に対しては、経カテーテル塞栓術療法、外科的 摘出術、放射線照射療法などが行なわれる.消化管出血に対しては,内視鏡的レーザー照射が有効である。鼻出血に対しては、スポンゼルによる圧迫、レーザー 照射、皮膚粘膜移植などが行なわれる。鉄欠乏性貧血に対しては鉄剤の投与が行なわれる。重度の貧血では輸血が必要になることがある。

7. 研究班

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)に関する遺伝疫学的検討と診療ガイドラインの作成:塩谷班