Cavinopathy(Cavinopathy) (リポジストロフィーとミオパチーを合併する新規遺伝性疾患)(平成21年度)

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1. 概要

本疾患は最近我々が世界に先駆けて発見した遺伝性疾患で、先天性代謝異常であるリポジストロフィーとミオパチー/筋ジストロフィー の合併を特徴とする疾患である。新規に見いだされた疾患であり、まだ患者数は少ないが、乳児期早期からの糖・代謝異常や重篤な全身合併症を来す可能性があ り、全国規模の調査による患者の集積ならびに疾患概念の確立が急務である。

2. 疫学

5名(2009.6.10現在)

3. 原因の解明

PTRF遺伝子変異による疾患。細胞膜の特殊構造であるカベオラ構成タンパク質PTRF/Cavinが欠損することによるカベオラ機能不全が主病態と考えられる。

4. 主な症状

乳児期以降に発症する全身性リポジストロフィー
ミオパチー/筋ジストロフィー(筋肥大または萎縮・進行性の筋力低下)

5. 主な合併症

糖代謝異常
脂質代謝異常
骨格筋膨隆現象
心障害、消化管運動障害、肝障害、免疫異常、成長障害および骨格異常、腎障害など多臓器障害を合併しうる。

6. 主な治療法

糖・脂質代謝異常および他の全身症状に対する対症療法のみ。
乳児期より重篤な肺炎などをくりかえす場合があり、代謝異常も含めた全身管理の継続が不可欠。

7. 研究班

リポジストロフィーとミオパチーを合併する新規遺伝性疾患についての疾患概念の確立と治療法の開発に向けた研究班