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コレステリルエステル転送蛋白(CETP)欠損症(平成21年度)

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1. 概要

1980年代に我が国で発見された常染色体性優性遺伝形式をとる脂質代謝異常症。血清中の高比重リポ蛋白(HDL)-コレステロールが著明に増加する一方で、低比重リポ蛋白(LDL)の質的異常を来す。欧米諸国や他のアジア諸国では散見されるにすぎない。

2. 疫学

ホモ接合体が数万人に一人、ヘテロ接合体が50人に一人と推定。

3. 原因

コレステリルエステル転送蛋白(Cholesteryl ester transfer protein, CETP)は、肝臓や小腸で合成される血清中に存在する蛋白。HDLのコレステロールを超低比重リポ蛋白やLDLに転送することで、HDLやLDLの量や 質を調整している。CETPが欠損すると、HDLが著増する、LDLが質的に変化するなどが起こる。CETP欠損症の原因として、約10種類のCETP遺 伝子異常が存在するが、最も頻度の高い変異は、CETP遺伝子のイントロン14のスプライス異常である。

4. 症状

血清HDL-Cが著明に増加する。ホモ接合体では、150-250mg/dL、ヘテロ接合体では、50-150mg/dLを呈する。CETPに影響を与える後天的因子として、飲酒がある。慢性大量飲酒は、CETP蛋白、活性を低下させることが明らかになっている。

5. 合併症

本症が集積している秋田県内陸部における過去の調査で、血清HDL-コレステロール値と虚血性心電図変化との間に、U字型の関係が 報告され、本症と心合併症との関係が示唆されている。しかし、本症と心血管病合併症との関係については、国内外で20年来の論争となり、結論を見ていな い。本研究班は、この点について明らかにすることを目的としている。

6. 治療法

特異的治療法は、今のところない。本症が集積している地域での治療実態を本研究班で把握する。

7. 研究班

コレステリルエステル転送蛋白欠損症の病態把握のための疫学研究