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優性遺伝形式を取る遺伝性難聴(平成21年度)

ゆうせいいでんけいしきをとるいでんせいなんちょう
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1. 概要

常染色体優性遺伝形式をとる非症候群性の感音難聴の罹患者数はおおよそ1万人と少なく希少であるために研究があまり進んでいない。 また、家系ごとに原因遺伝子や臨床経過が異なるため、効果的な診断法および治療法は未だ確立されておらず、多くの場合発症メカニズムは不明である。臨床的 には様々なタイプの難聴が含まれており、聴力像・難聴の程度・めまいなどの随伴症状の有無によりサブタイプ分けが可能であることが示唆されているが、多く の場合原因不明であり、進行性の難聴が多いためその境界ははっきりしておらず、長期に渡って生活面で支障を来たす場合が多い。
さらにまた、優性遺伝形式で遺伝するため、再発率(次の世代に難聴が遺伝する確率)が50%であることより、患者の心理的負担が大きい。

2. 疫学

「優性遺伝形式をとる遺伝性難聴」の罹患頻度は、非症候群性難聴患者(出生児1,000人に1人)の約10%程度と推定されている (Kimberling et al., 1999)。この推定に基づくと、日本人における患者数はおおよそ13,000人であると考えられる。

3. 原因の解明

現在までにいくつかの原因遺伝子が同定されているが、家系ごとに原因遺伝子および遺伝子変異部位が異なるため、効果的な診断方法は 確立していない。現在までに優性遺伝形式をとる難聴の原因遺伝子としてはKCNQ4、COCH、EYA1、TECTA、WFS1、CRYM、MYO7Aな どが知られているが、難聴の程度、難聴の型なども様々である。また、進行性の難聴である場合が多い。

4. 主な症状

(1) 両側感音難聴

・先天性の両側感音難聴を呈するが、難聴が進行性である場合には発見が遅れ後天発症の両側感音難聴と診断されるケースもある。
・難聴の程度は軽度~中等度が多いが高度難聴となるケースも報告されておりバリエーションに富んでいる。また、聴力像も水平型、低音障害型、中音域障害型、高音障害型など多様である。
・多くの場合進行性の難聴を呈する。

(2) 蝸牛症状

・めまいや耳鳴り、耳閉感などの蝸牛症状を伴う場合がある。

5. 主な合併症

・めまいや耳鳴りなどの蝸牛症状を伴う場合がある。

6. 主な治療法

・現時点では疾患そのものを治療する有効な治療法は無く、補聴器あるいは人工内耳による補聴が有用である。
・聴力が増悪した場合には、突発性難聴に準じた加療が考えられるが、その効果は不確定であり、現時点で有効な治療法は無い。

7. 研究班

優性遺伝形式をとる遺伝性難聴に関する調査研究班